中国高速鉄道の急成長は、長年にわたり中国当局の公式メディアによって、「自主革新」と「奮起発展」を象徴する国家復興の物語として描かれてきました。
「世界一」「中国スピード」というスローガンは国内外に響き渡り、高速鉄道は中国当局が国際社会に向けて「現代化の成果」を誇示する代表的なプロジェクトにもなりました。しかし、その華やかな表面をはぎ取り、高速鉄道発展の本当の流れをたどっていくと、そこに浮かび上がるのはまったく別の姿です。
技術導入の裏で行われた事実上の強制移転、借金頼みで進められた規模拡大、そして政治的な実績作りを優先した結果としての深刻な資源配分のゆがみです。
話は1990年代にさかのぼります。当時、中国当局はまだ成熟した高速鉄道技術を何ひとつ持っておらず、広州・深圳線で「近代化」の体裁を整えるため、鉄道部はスウェーデンからX2000型の振り子式車両を借り入れ、1998年から試験運行を始めました。ところが、維持コストが高額だったため、すぐに「国産化」へと舵を切ります。
1999年以降、「シャーク号」「春城号」「藍箭(ランジェン)号」「中華の星」「先鋒号」など、国産の動車組プロジェクトが次々と立ち上げられましたが、どれも例外なく技術的な壁にぶつかり、量産には至りませんでした。2002年には「中華の星」が試験走行で時速321.5キロを記録したものの、試験で一時的に速度を出すことと、長期にわたって安定運行することの間には、あまりにも大きな隔たりがありました。
最終的に当局も、技術は未成熟であり、重要設備は依然として輸入に頼らざるを得ず、国産部品の品質も安定していないと認めました。つまり、この道は行き詰まっていたのです。
相次ぐ失敗の末、中国当局は独自開発路線を事実上あきらめ、国家の力を使った組織的な「技術獲得作戦」に乗り出します。その大きな転換点となったのが2004年でした。
当時の鉄道相、劉志軍が主導して設計したのは、市場参入そのものを武器にする仕組みでした。外国企業が中国市場に入りたければ、中国国内に合弁会社を設立しなければならず、しかも中核技術をすべて差し出し、その後に生産される車両には「中国ブランド」の名を付けなければならないという条件です。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの経済パフォーマンスセンターの研究によれば、中国当局が狙いを定めたのは、当時世界最先端の高速鉄道技術を握っていた4社、日本の川崎重工、フランスのアルストム、ドイツのシーメンス、カナダのボンバルディアでした。入札では、技術移転そのものが参加の前提条件とされ、中核技術を渡さなければ入札の土俵にすら立てませんでした。この巨大市場を失いたくなかった4社は、結局、技術移転の条件で次々と譲歩していったのです。
中国当局は、単に技術を包括的に取得するのではなく、極めて計画的に、モジュール単位で分解しながら取り込んでいきました。高速鉄道の完成車を、車体構造、台車、牽引制御システム、ブレーキシステムなど9つの核心システムに細かく分け、それぞれ異なる企業に担当させたのです。
牽引システムはある企業から、台車は別の企業から、車体構造はまた別の企業から学ぶという形で、4社の中核技術は少しずつ分解され、吸収されていきました。
技術が流入すると同時に、中国当局は国家総動員型の「消化・吸収プロジェクト」をすぐさま始動させます。その任務を担わされたのは、青島四方機車、長春軌道客車、株洲電力機車研究所といった企業であり、さらに清華大学をはじめとする複数の大学も、技術吸収と「再革新」を進める中核機関として指定されました。
もっとも象徴的な例が、和諧号CRH2型動車組です。その技術的な土台となったのは、日本の新幹線E2-1000系で、技術移転費用は約1890億円(12.9億ドル)にも上りました。中国の技術チームは、新しい交流電力システムの採用、車体構造の再設計、台車のサスペンション改良などを進め、営業速度を時速250キロから350キロへと引き上げました。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究では、2004年の技術導入後、関連都市と技術分野における特許出願件数が42%も急増したことも追跡されています。つまり、当局が「自主革新」として大々的に宣伝してきたものの実態は、「導入・消化・再統合」という流れにすぎず、外国企業の技術を土台に加工と改良を加え、別のラベルを貼り直したものだったのです。
しかし、本当に深刻な問題は技術だけではありません。さらに大きな不安は、財務データの中に隠れています。中国国家鉄路集団は2021年からの5年間で、路線建設、車両調達、駅舎建設のために約93兆円(4兆元)を投じました。規模が拡大するにつれて、債務もまた急激に膨れ上がり、現在の総債務は約140兆円(6兆元)を超え、毎年支払う利息だけでも約4.7兆円(2000億元)にのぼります。
公式データでは、2023年の鉄道固定資産投資は約18兆円(7600億元)に達し、同年末時点で鉄道システムの資産負債率は65.54%という高い水準にありました。
米サウスカロライナ大学エイケン経営大学院の謝田教授は、鉄道投資は中央と地方が共同で積み上げてきたものであり、実際にはまともな事業可能性調査もなく、旅客数や運営収益でコストを回収できるのかを真剣に試算した者もほとんどいないと指摘しています。
さらに、借金の問題以上にあまり語られてこなかった現実があります。それが、全国各地に点在する大量の「ゴースト駅」です。
『中国経営報』の2024年5月の報道によれば、全国で少なくとも26の高速鉄道駅が長期にわたって遊休状態にあるか、すでに閉鎖されています。
海南省儋州市の海頭駅には約8億円(4000万元)以上が投じられましたが、完成から7年たってもずっと閉鎖されたままでした。1日の利用者が100人にも満たず、営業を始めれば赤字になるためで、世論の批判が高まった末、2023年末になってようやく使われ始めたのです。
広西チワン族自治区の桂林市では、一気に9つの高速鉄道駅が建設されましたが、そのうち五通駅は1日の平均利用者数が200人未満で、わずか4年で閉鎖されました。
こうした「ゴースト駅」が生まれる仕組みは、どこも驚くほど似ています。地方政府は立ち退き問題を避け、郊外の地価を引き上げるために、人口の中心から離れた場所に駅を置くことに固執し、鉄道部門も関連予算を引き出せる以上、それを歓迎してきました。高速鉄道計画の基準になっていたのは、人口でも需要でもなく、官僚たちの利益と業績だったのです。
全体を見れば、中国高速鉄道の本当の姿は、3つの段階から成る国家プロジェクトだと言えます。
まず、市場参入をてこにして外国企業から技術を事実上強制的に差し出させること。
次に、巨額の借金で建設規模を維持し続けること。
そして最後に、それらすべてを宣伝機関によって「制度の優位性」の証明として包み直すことです。
短期的には、この仕組みはたしかに外部を驚かせる規模と速度を生み出しました。長い目で見れば、巨大な債務の深い穴、全国に広がる空き駅、そしてついに本当の意味では実現しなかった自主技術の蓄積不足が、その華やかな看板を静かにむしばんでいます。
大々的に宣伝されてきた「世界一」の裏にあるのは、結局、国民全体が背負わされる重い負担であり、地方財政が限界に近づいている現実であり、政治が経済を押しのけて上に立っているという厳しい現実なのです。
(翻訳・藍彧)
