4月24日深夜、中国南西部・雲南省の昆明市周辺で、これまでにない規模のひょう災害が発生しました。中でも嵩明県(すうめいけん)では被害が特に深刻で、多くの住民が一夜にして恐怖に包まれました。

 現地の気象データによると、同日の午後7時ごろから昆明市周辺地域、特に嵩明県一帯で強い対流によるひょうが降り始め、その後数時間にわたって激しく降り続けました。ひょうはまるで雨のように密集して落下し、その大きさは目を疑うほどで、目撃者の多くが卵ほどのサイズだったと語っています。地面や車、農地に叩きつけられる音は非常に大きく、まさに異様な光景でした。

 公開された動画では、わずか10分ほどで高速道路に約15センチもの氷が積もり、交通は完全に麻痺状態に陥りました。走行中の車も回避できず、その場で立ち往生するケースが相次ぎました。まるで映画のワンシーンのような状況に、多くの人が言葉を失っています。

 翌25日朝には、ある科学系ブロガーがティックトックに動画を投稿し、今回の現象を詳しく解説しました。その中で、このひょうはまさに歴史的規模だと表現しています。大量の巨大なひょうが車の窓や建物に激しく叩きつけられ、あたり一面が白く覆われ、流れ落ちるひょうがまるで氷の川のように低地へと流れていく様子が確認されています。壮大でありながら、同時に強い恐怖を感じさせる光景でした。

 この突然の異常気象により、多くの昆明市民が深夜に眠りを破られました。ある女性は25日未明、SNSに投稿し、暴雨とひょうの音があまりに激しく、一晩中眠れなかったと語っています。まるで災害映画の中にいるようで、とても眠れる状況ではなかったと振り返っています。

 コメント欄には同じ体験をした住民の声が相次ぎました。昆明市官渡区(かんとく)の住民は、あまりのひょうの大きさに自宅のガラスが割れてしまったと投稿しました。別の住民も恐怖で眠れなかったと語っています。また、深夜1時過ぎ、大きな雷とともに周囲が一瞬で昼のように明るくなったという証言もあり、現場の異様さが伝わってきます。

 市内の大学に住む学生たちも、夜中に鳴り響く轟音で目を覚まし、SNS上でその恐ろしさを訴えています。窓を閉めようとした瞬間、外の光景を見て言葉を失い、そのまま朝まで眠れなかったという声も少なくありません。ひょう、雷、稲妻、豪雨が同時に襲うという状況は極めて珍しく、一生忘れられない体験になったと語る人もいます。

 被害の状況も非常に深刻です。昆明市のあるネットユーザーはSNSに写真を投稿し、屋外に停めていた車がひょうで無数のへこみを受け、フロントガラスは粉々に割れたと説明しました。村全体も大きな被害を受け、屋根の太陽熱温水器が破壊され、外壁のタイルが剥がれ、ビニールハウスには大きな穴がいくつも開いていました。まさに壊滅的な状態です。

 嵩明県を通りかかったドライバーの中には、自分が最も運の悪い被害者だったと自嘲する人もおり、車のフロントガラスが何か所も割れてしまったと語っています。

 農業への影響も甚大です。嵩明県は昆明市でも重要な農業地帯ですが、この一晩で多くの作物が壊滅的な被害を受けました。花や樹木はなぎ倒され、畑は見るも無残な状態となっています。ビニールハウス内の作物は比較的被害が軽かったものの、高価なビニール資材が大きく損傷し、穴だらけになっています。

 さらに深刻なのは、多くの農家が農業保険に加入していなかったことです。この突然の災害により、今後の再建や経済的な補償には大きな困難が伴うと見られています。

 交通面でも影響は広がりました。昆明長水国際空港では、暴雨とひょうの影響でターミナルの天井から大量の雨漏りが発生しました。空港に足止めされた乗客たちは、その様子を次々とネットに投稿しています。

 当夜に昆明市へ向かう予定だった多くの便は、急きょ貴州省の貴陽空港へと目的地を変更し、乗客はホテルに分散して宿泊することになりました。アプリのデータによると、この日のフライト遅延率は72%に達し、空港は混乱状態に陥りました。現地の乗客からは、ひょうで屋根が破損し、秩序も崩れ、長時間待たされたと不満の声が上がっています。

 気象当局も相次いで警報を発表しました。24日午後7時23分には嵩明県でひょうのオレンジ警報が出され、今後2時間以内に広範囲でひょうが続き、深刻な被害が出る可能性があると警告しました。その後、25日午前1時36分には暴雨のブルー警報に更新され、過去3時間で30ミリの降水が観測されたこと、さらに今後12時間も災害リスクが高い状態が続くと発表されました。内水氾濫や山洪、地滑りなどにも警戒が呼びかけられています。

 専門家によると、春は中国南西部で強い対流が発生しやすい時期で、冷たい空気と暖かい空気がぶつかることで、雷雨や突風、短時間の豪雨、そしてひょうが発生しやすくなります。今年4月以降、貴州省や四川省、雲南省ではすでに複数回こうした異常気象が確認されています。

 実際、今回のわずか数日前には、雲南省に隣接する貴州省でも大規模なひょう災害が発生しました。4月19日未明から夜にかけて、15の県が被害を受け、最大で直径40センチにもなる巨大なひょうが観測されています。建物の屋根は貫通し、小型車のフロントガラスはほぼ全滅となりました。道路には氷が川のように流れる異様な光景が広がり、被害は非常に大きなものとなりました。

 雲南省、貴州省、四川省は地理的に連続しており、こうした強い対流システムがこの地域を移動しながら広がることで、複数の地域で連鎖的に被害が発生しています。今回の昆明市の災害も、その流れの中で起きた出来事と見られています。

(翻訳・藍彧)