世界の注目が中東の戦火や米中の貿易摩擦に集まるなか、国際社会を震撼させる調査報道がひっそりと公表されました。2026年4月1日、CNNは詳細な調査レポートを発表しました。数十枚に及ぶ衛星画像、中国当局の内部文書、さらに米国で機密解除された情報を総合的に分析した結果、ある不穏な結論にたどり着いたのです。中国はここ数十年で前例のない規模で、核兵器インフラを極秘に拡張しているというものでした。
2022年、四川省梓潼県(しとうけん)で暮らしていた3人の住民は、なぜ政府が土地を強制的に収用し、代々住み続けてきた家から自分たちを追い出そうとしているのかを問いただすため、地元当局に手紙を送りました。しかし返ってきた答えは、わずか4文字だけでした。
「国家機密」
3年後、衛星画像がその「国家機密」の正体を明らかにしました。彼らの村はすでに跡形もなく消え去っていたのです。白土村や大山村など複数の自然村は地図から完全に姿を消し、その場所には厳重に警備された軍事施設や研究施設群が立ち並んでいました。
CNNの調査は、梓潼県とその周辺地域に焦点を当てています。四川盆地の奥深くに延びるこの細長い谷は、沿海部から離れていて外部の目を避けやすく、中国の核兵器開発における中核エリアとみられています。衛星画像の分析によれば、この地域では2021年以降、建設の動きが急激に加速していました。その規模の大きさと進行の速さは、専門家たちをも驚かせるものだったのです。
その中でも、国際戦略の専門家たちが特に注目しているのが、通江河(つうこうか)のほとりにある「906基地」内の巨大な強化ドーム型施設です。敷地面積は約3344平方メートルに及び、テニスコート13面分に相当します。この施設は三重(さんじゅう)の安全フェンスで囲まれ、放射線を監視する高価な測定装置、重厚な防爆扉、さらに山中のトンネルへと延びる配管網や、専用に設計された工業用換気システムまで備えていました。
核物理の専門家たちは、こうした設備の特徴を見て、その用途をすぐに見抜きました。アメリカの非営利機関「海軍分析センター(CNA)」のデッカー・エベレス研究員と、ミドルベリー国際大学院モントレー校のジェフリー・ルイス研究者は、ともにこの施設の仕様が、プルトニウムや高濃縮ウランといった高レベルの放射性核物質を扱う精密実験施設と極めてよく一致していると判断しています。ルイス氏は、これは「施設の全面的な再構築だ」と断言しました。つまり、中国当局は核兵器システム全体を支える基盤技術そのものを根本から作り替えようとしており、核兵器の生産能力は今まさに爆発的に拡大しつつあるということです。
さらに梓潼県の西およそ40マイルの地点にも、専門家たちを強く警戒させている場所があります。「科学城(中国両弾城)」と呼ばれる核兵器研究開発センターで、中国の核開発計画における頭脳ともみなされている拠点です。衛星画像によれば、2022年にはこの地域で600棟を超える建物が取り壊され、より大規模な新施設を建設するための空間が確保されていました。
同時にCNNは、公式情報をもとに、綿陽市にある中国工程物理研究院傘下の10の研究機関のうち、6機関で最近、明らかな拡張工事が行われていたことも確認しました。これらの機関は公開されている情報が限られているため、それぞれが具体的にどのような役割を担っているのかまでは、現時点では特定できていません。ただ、研究施設と生産施設の両方で大規模な拡張が進んでいることを示す複数の証拠を踏まえ、CNNは、中国が核兵器計画を体系的に強化していると結論づけています。
米国防総省の評価によれば、中国が現在保有している核弾頭はおよそ600発です。総数ではまだ米国やロシアには及ばないものの、核戦力の拡張ペースでは世界で最も速い国となっています。さらに、欧米の情報分析筋は、新たに建設された施設の処理能力や物資輸送の頻度などから、中国の核弾頭の年間生産数はすでに100発近くに達している可能性があるとみています。この数字が意味するのは、中国がこれまでの「限定的な核抑止」という立場から、より攻撃性と持久力を備えた世界的な核大国へと急速に姿を変えつつあるということです。
では、なぜ中国当局はこのタイミングで、ここまで大規模な核戦力の拡張に踏み切っているのでしょうか。軍事アナリストたちの見方は、台湾海峡の緊張に直結しています。
ルイス氏は、中国当局がいま、より多様で、しかも破壊されにくい「核の三本柱」を備えた打撃体制の構築を急いでいると指摘しています。その最大の狙いは、将来、台湾海峡で衝突が起きた場合に、米国とその同盟国による軍事介入を効果的に封じ込めることにあります。新世代の大陸間弾道ミサイル発射サイロと移動式発射プラットフォームを組み合わせることで、中国の核反撃能力は、電子戦や精密攻撃を受けた場合でも、より高い生存性を保てるようになります。つまり、たとえ先制攻撃を受けたとしても、なお十分な核戦力を維持し、報復攻撃に踏み切れる体制を整えようとしているのです。
カーネギー国際平和財団の上級研究員、趙通(ちょう・つう)氏は、さらに踏み込んでこう指摘しています。中国当局の指導部は、核戦力を含む戦略的な軍事力を誇示することで、西側諸国に心理的な圧力をかけ、中国の台頭という現実を国際社会に受け入れさせようとしているように見えるというのです。さらに、中国軍が台湾への軍事行動に踏み切った際、外部勢力に「介入したら危険だ」と思わせ、台湾を支援する動きをためらわせる狙いもあるとみられています。
こうした核拡張の影は、より広い国際社会にも連鎖的な影響を及ぼし始めています。米国とロシアの「新戦略兵器削減条約」はここ数年で事実上機能を失い、世界の軍備管理体制は、冷戦終結後で最も深刻な崩壊の危機に直面しています。専門家の間では、中国が第三の主要な核保有大国として本格的に台頭することで、冷戦時代以上に複雑で、はるかに管理の難しい新たな核軍拡競争が、すでに静かに始まっているのではないかという懸念が強まっています。
これに対して中国側は、そうした見方を全面的に否定しています。中国国防省の報道官は、関連報道について「事実をゆがめたものだ」と反論し、中国はあくまで防御的な核政策と「先に核兵器を使わない」という原則を堅持していると改めて主張しました。一方、中国外務省はCNNの報道内容について、「具体的な状況は把握していない」と述べています。
トランプ政権はこれまでも、中国が透明性を欠いたまま大規模な核戦力拡張を進めているとして、公然と中国当局を批判してきました。米国政府関係者によれば、トランプ大統領は来月の中国訪問で、核軍縮交渉と核戦力の透明性向上を最優先議題として取り上げ、習近平に直接圧力をかける考えだとされています。
この対話が実際に成果を上げるのかどうかは、今の時点ではまだ分かりません。しかし、中国当局が進めるこの核拡張は、世界全体を、これまで以上に危うく、そして先の読めない時代へと押し出そうとしているのかもしれません。
(翻訳・藍彧)
