先日、海南省臨高県の大雅村において、警察と住民による大規模な衝突が発生しました。当局は多数の警官隊を動員して強硬な鎮圧に乗り出し、その結果、多くの村人が負傷して病院に搬送される事態となりました。ネット上の情報によると、この激しい対立が起きたのは2月1日のことです。その背景には、長年にわたる政府主導の強制的な立ち退きや汚職、そして不公正な選挙に対する、村人たちの積もり積もった不満がありました。事件当日、これ以上耐えられなくなった村人たちは、自分たちの権利を守るために村委員会(役場)の前に集結し、説明を求めて公用車を取り囲みました。
村人たちの必死の訴えに対し、当局は迅速に大量の警官や武装警察、政府職員を現場に投入しましたが、これは火に油を注ぐ結果となりました。現場の映像には、騒然とした現地の様子が映し出されています。完全武装した警官や政府職員がデモ隊に向けて催涙スプレーを無差別に噴射し、警棒を振り回して村人たちを殴打しました。追い詰められ、逃げ場を失った村人たちは、やむを得ず足元の石や瓦礫を拾って応戦しました。この混乱の中で多くの村人が地面に叩きつけられ、重傷を負った人々が緊急搬送されました。
現地の事情に詳しい村人の話では、ここ数年、臨高県の地元政府は「開発」を名目に大規模な土地収用と立ち退きを強行しており、その過程で住民の利益を損ない、度々衝突を引き起こしてきました。昨年11月には、美雅村にある寺院も容赦なく取り壊され、激しい怒りを買いました。皮肉なことに、つい先日、元臨高県党委員会書記が深刻な汚職容疑で逮捕されたばかりでした。抑圧されてきた村人たちは、連日にわたり村委員会の前で爆竹を鳴らし、デモ行進を行って腐敗した高官の失脚を祝っていました。彼らはようやく正義が訪れたと信じていましたが、それから半月も経たないうちに、公権力による無慈悲な弾圧に直面することになりました。この出来事は、法治と正義に対する人々の最後の希望を完全に打ち砕き、村人たちはついに、自分たちを苦しめているのが特定の官僚一人ではなく、独裁的な体制そのものであることを悟りました。
実際、海南省でこのような官民の衝突が起きたのは今回が初めてではありません。2025年10月31日、海南省瓊中市でも大規模な抗議活動が発生しました。当時、海南天然ゴム産業グループの支社が農民のビンロウ畑を無断で伐採し、住民の激しい怒りを招きました。激怒した農民たちは、切り倒されたビンロウの木を会社のビル入口に積み上げ、「悪党の巣窟を叩き潰せ」と叫び、自動車をひっくり返すなどの抗議を行いました。現場は一時、極度の緊張状態となり、警察は威嚇射撃を行っただけでなく、盾や傘で隊列を組んでデモ隊の投石を防ぎ、会社従業員を逃がしました。警察が去った後も、一部の農民が会社の敷地内に侵入して看板を破壊するなどし、深夜になってようやく群衆は解散しました。これは民衆にとって、「警察は常に強者の味方である」という動かぬ証拠となりました。中国メディアの『新黄河』などが一時的にこの件を報じましたが、記事はすぐに削除され、SNS上の関連動画も次々と消されました。
海南省での動揺は決して例外的なものではありません。中国の旧正月(春節)が近づくにつれ、中国全土で賃金未払いに対する抗議や権利擁護を求める活動が再び活発化しています。広東省の深圳や茂名から、山西省晋城、陝西省漢中、さらには四川省成都、上海市金山などに至るまで、労働者が政府庁舎や企業を取り囲んで未払い賃金の支払いを要求しています。一部の地域では、労働者が高い建物に登り、飛び降り自殺をほのめかして抗議するという痛ましい光景も見られました。
2月4日、深圳市にある企業が数ヶ月にわたり賃金を滞納しているとして、労働者が集まって抗議を行いましたが、現場では防護盾を持った警備員が立ちはだかりました。2月8日には、山西省や陝西省の建設会社前でも労働者による封鎖事件が相次いで発生しました。同日、四川省成都にある建設プロジェクトの現場では、絶望した労働者が高所に登って賃金を要求しました。労働問題に詳しい専門家は、経済の低迷と投資の減速による企業の資金繰り悪化が賃金未払いの主な原因であると指摘していますが、地方政府の対応は企業側に偏りがちで、出稼ぎ労働者の利益は軽視される傾向にあります。
出稼ぎ労働者だけでなく、教育現場でも問題が起きています。2月3日、浙江省教育庁の門前には100人以上の非正規雇用の教員が集まり、「教員としての勤続年数を認めろ」「老後の生活保障がない」と叫び、当局に対して社会保険問題の解決を求めました。彼らは数十年の勤務実績があるにもかかわらず社会保障が不十分であり、かつて教壇に立ったすべての高齢者を無条件で社会保険制度に組み入れるべきだと訴えました。
これら一連の事件は、国内外で大きな波紋を呼んでいます。海南省での衝突に対し、ネットユーザーたちは「子供まで最前線に出ている」と嘆き、「最初に抵抗しなければ、後は際限なく従わされることになる」と指摘しました。また、全国的に広がる抗議の波について、法律の専門家は、西側の民主主義国家とは異なり、現在の法体系は民衆の権利を真に保護するものではなく、体制側の利益を守り、社会的な抗議行動を抑え込むために使われていると分析しています。海南の農村での流血の事態から全国各地の悲痛な叫びまで、すべてが社会の深層にある矛盾の激化を浮き彫りにしています。
(翻訳・吉原木子)
