好きじゃなくなった服や靴、肌に合わないスキンケア、運動しようと思って衝動買いしたランニングマシン、さらには子供たちが着なくなったベビー服――。いつの間にか「不用」「不要」な物たちは家の中に溜まっている場合がありますね。とはいえ、これを軽い気持ちで捨てるのがもったいないし、友達にあげるのはどこか失礼な気がします。そこで、自分が要らなくなったものを欲しがっている誰かに出会える「フリマサービス」が今、勢いが止まりません。
エコ意識とリユース経済の普及と共に、「メルカリ」をはじめとする個人と個人(一般消費者)の間で行う取引のプラットフォーム「フリマサービス」が急速に普及しております。不用品をそのまま捨てるより、これを欲しがっている誰かに譲って、家の中がスッキリになり、さらには家計が潤うことも――。フリマサービスで不要なものを売り出す選択肢は近年、徐々に人気を博しています。
今回、3年以上多くのフリマサービスで販売実績を積み、累計1万以上の「良かった」をもらった筆者は、今さら聞けないフリマサービスの使い方をまとめてご紹介します。
そもそも、フリマサービスって何?
初歩的な問題ですが、フリマサービスはどのような仕組みでしょうか。簡単に言えば、野外やイベントスペースでのフリーマーケットがインターネット上で行われているイメージです。出品者は、商品をスマホで撮影、商品説明などの詳細情報を入力、梱包して発送するという3ステップで簡単に出品できます。一方、購入者はネットショッピングと同じ感覚で、フリマサービスでキーワードを検索して表示された出品物から選んで購入できます。
出品と購入どちらもスマホだけで簡単に完結します。オンラインでのやり取りのため、移動や対面でのコミュニケーションは不要です。個人情報や支払いの管理を代行してくれるシステムが整っているフリマアプリでは、匿名での取引が可能です。
主なフリマサービスプラットフォーム
特に注目されているフリマサービスを提供するプラットフォームは次のようにあります。
• メルカリ:株式会社メルカリが運営するフリマサービスです。商品ラインナップが豊富で、使用者数も最大級と言われます。操作が簡単で初心者には最適です。
• ラクマ:楽天グループが運営するフリマサービスで、楽天のサービスと連携できたりポイントが貯まったり、お得に利用できるのが特徴となりますが、購入者数が相対的に少なくなります。
• ヤフオク!:Yahoo! JAPANが運営するオンラインオークションサイトです。オークション形式が中心で、入札によって価格が決まるため、レア品やコレクション品の出品に適しており、高価な出品が期待できます。
• Yahoo!フリマ(旧PayPayフリマ):その名の通り、決済サービス「PayPay」との相性が良く、購入時に利用できるほか、出品した商品が売れた際に受け取る「売上金」をPayPayにチャージすることもできます。「すべての商品で送料は出品者負担」となっている点も、他のフリマアプリとの違いです。
商品によって配送方法を選ぼう
出品者の配送方法によって、出品者の儲け(販売利益)はもちろん、購入者が受け取る時の印象もだいぶ変わります。基本的に、配送料が出品者負担の方が購入者負担の方より売れやすくなるので、配送料の計算も要注意です。
小さい商品であれば、「クリックポスト」や「ネコポス」などの方法がお勧めです。配送料金が安いのに追跡サービスが利用できるため安心できます。大きい商品であれば、「宅配便」と「たのメル便(メルカリの場合)」をよく計算してから出品した方がいいでしょう。
初心者として「匿名配送」と「追跡可能な配送サービス」を選ぶことがオススメで、プラットフォーム専用の配送資材を使うことで、配送料の計算も簡単になり、出品も少し楽になります。
売れやすい商品とは?
フリマサービスとはいえ、何が何でも売れるではございません。次のようなものがメルカリで売れやすいと言われます。
1. ベビー用品。赤ちゃんの下した服、おもちゃ、絵本などは需要が多く、売れやすくなっています。
2. スキンケア。使用状態が明記されればほしい人が現れます。ブランド品や人気商品はもちろん、試供品(サンプル)や容器まで売れる場合があります。
3. 生活家電。炊飯器、加湿器、調理家電など、商品の状態が良ければ、引っ越しの時期で特に売れやすくなります。
4. シーズン限定商品。ゆかた、除雪用具、暖房器具など、季節によって出品すれば売れやすくなります。
5. 限定品、コラボ商品。福袋の中の物や限定品など、レアなコレクション品はすぐ売れたりします。
気を付けたいのは、大きなおもちゃやテレビなど、サイズが大きすぎて運送料がかさばるものに関しては、配送料が商品の売価より高くなる場合もあります。利益を確保したい時は要注意です。
配送料の工夫で利益率をあげましょう
配送に出す前、梱包の工夫も購入者の好感度を上げられる他、梱包の仕方によって配送料の節約にもつながり、結果的に販売利益を多く確保できます。
まず、百円ショップなどで購入できるファスナー付きのプラスチック・バッグ「ジップロック」、ポリエチレンフィルムに小さな気泡をたくさん作った緩衝材「プチプチ」や、古い新聞紙などで商品を包むことで、商品を配送時のトラブルから守ることができます。
次に、圧縮バッグの使用や、服を小さく丸めることで、荷物の体積を減らすことができ、配送料の軽減にもつながります。ただし、これによる服のしわなどにも注意しましょう。
念のため、配送に出す前に商品の梱包状態などを撮影することで、トラブル防止にもつながります。
「良かった」をもらって商品をもっと多くの人に見せましょう
例えばメルカリでは、取引が完了すると、出品者と購入者双方は互いに評価をつける必要があります。「良かった」は商品が無事購入者に届くことができ、取引が無事完了した証で、もらった方の信用度を高めることができます。出品者の「良かった」の数が多くなると、購入者の安心にもつながります。同じものを出品した多数の出品者の中から「良かった」の数が多い方の出品者を選ぶ購入者が多いと考えられます。
一方「残念だった」は何かしらのトラブルがあってつけた評価で、もらった方の信用度を下げてしまいます。「残念だった」を多くもらってしまうと、アカウントに制限がかかり、取引ができなくなってしまうこともあります。そのため、商品の状態、包装の状態などをこまめに撮影するなど、取引にかかわることの証拠集めを普段から心掛けると、万が一トラブルがある時に役立ちます。
トラブルに遭ったら?安心できるプラットフォームの介入
長年の運営実績を積んだフリマサービスプラットフォームですが、商品の写真と実物の乖離、購入者の無断キャンセル、出品者の発送遅延や音信不通、さらには商品のすり替えなど、多くの問題がまだ存在しています。この場合プラットフォームの力を借りましょう。「事務局に問い合わせ」のボタンを押せば、取引履歴や会話履歴、画像などで仲裁をしてくれます。多くの場合、購入者の権利が守られる傾向があるそうです。
「副業収入」になるの?税務関連について
一般的に、偶発的に不用品を処分をするのは、営業行為に当たらないため、税金を払う必要がありませんが、次のような場合は「副業収入」として申告と納税が必要かもしれません。
• 年間販売利益が20万円(被扶養者である場合は48万円)を超えた場合。
• 仕入れや転売をするなど、営利を目的とした場合。
• 在庫を持ち、撮影スタジオなどを持つなど、「事業性」があると見なされる場合。
そのため、大変なことに巻き込まれないために、アプリや計算ソフトなどで自分の販売利益と販売コストなどを記録することや、取引明細や配送料の控えを保存することなど、慎重に対処した方がいいでしょう。分からないことや心配ごとがあれば、税理士や国税庁ホームページなどに問い合わせてみましょう。
中長期的な出品を計画しているあなたに
出品したいものがたくさんあっても、これを一気に全部売ることは難しいでしょう。そのため、商品を欲しがる人が現れるまでに「耐久戦」に備える必要があります。ここではいくつかのヒントをご紹介します。
• 定期的に商品の登録、情報の更新、売価の調整を行いましょう。これによってアカウントの活躍度をあげ、商品を積極的に売り出す姿勢を見せます。
• 「まとめ買い」を積極的に利用して、買い求めやすさをアップしましょう。多くの物を一回の配送でお届けできるので、配送料の節約にもつながります。
• 「高リスク出品者」にならないよう、プラットフォームからの頻繁な介入を避け、できるだけトラブル解決に努力をしましょう。
• 配送料ルールや販売手数料の変更など、プラットフォームの規約更新などを注意し、適宜販売戦略を調整しましょう。
いかがでしょうか。フリマサービスについてご紹介しました。不要なものを欲しがっている誰かに売ることで、荷物が減り、気分もすっきり。このような「断捨離」はただの荷物の整理や小遣い稼ぎではなく、私たちの生活を整理してくれる大事な知恵なのです。メルカリなどのプラットフォームを通して、不要なものを新たに活躍させるだけでなく、私たち自身の心も整理しているのではないでしょうか。
次の大掃除、もし不要なものができましたら、これを欲しがっている誰かがいることを考えて、フリマサービスに出品してはいかがでしょうか?
(文・楊金柳/翻訳編集・常夏)

