ユーモアで救う!気まずい雰囲気を変えたエピソード.
ユーモアは処世の知恵の一つで、人生のピンチを乗り越え、しらけた状況を切り抜ける助けになるし、より気楽で寛容に人生に向き合う心構えでもあります。(pxhere, CC0 パブリックドメイン)

 ユーモアは処世の知恵の一つで、人生のピンチを乗り越え、しらけた状況を切り抜ける助けになるし、より気楽で寛容に人生に向き合う心構えでもあります。今回の記事は、持ち前のユーモアで気まずい雰囲気を変えたエピソードを3つ紹介します。

エピソード1:嫁の愚痴を聞く義母

 れいこさんの息子・なおきさんが結婚した後、留学のために嫁のしおりさんを連れてアメリカに行きました。ある日、れいこさんはアメリカへ息子夫婦を訪ねると、なおきが太り、しおりが痩せているのを見ました。

 れいこさんは「どうしてこんなに痩せてしまったの?」と心配そうに聞きました。
 すると、若い嫁は我慢できず、「なおきは、家では怠けて家事ができないし、外では道を覚えるのが苦手でよく迷子になっちゃうし、何をやってもミスばかりなんですよ」と、ついれいこさんに愚痴をこぼしました。

 嫁から自分の息子の愚痴を聞きたがる義母はいないでしょう。ほとんどの義母は、つい息子をかばおうとするものです。しかし、れいこさんはしおりの愚痴を頷きながら聞き終えると、微笑んでこう言いました。
 「でも、なおきが一つだけミスしていないよね」
 「なんでしょう?」としおりは不思議そうに聞きました。
 「しおりを嫁に迎えたことなんだわ」
 れいこさんがこう答えると、しおりも思わず笑いだし、愚痴をやめました。

エピソード2:妻を愛する頑張り屋の夫

 けいたさんは、仕事をやり始めると一生懸命に取り組む人でした。結婚後、会社が採用凍結で欠員が出ても補充されないため、人手不足のせいで、けいたさんはどんどん忙しくなり、毎日のように残業をしていました。
新婚の妻・まゆさんは夫が頑張り屋だと分かっていながらも、どうしても心の中で不満が湧いてしまいました。「本当にそんなに仕事が多いのかな?いつも帰りが遅いし、家に帰っても夜中までオンライン会議をするなんて・・・。こんな生活、ちょっと嫌なんだよね」

 ある日、けいたさんは早く家に帰ってまゆと一緒に晩御飯を食べると約束しましたが、またもや残業でドタキャンしてしまいました。 
 それで、家で待っているまゆは一人でむくれていました。そしてけいたが仕事から帰ってきたら、すぐにまゆに怒られました。
 「今日残業しなかったら会社が倒産でもするのかな?なんでそんなに自分を追い込むのかな?上司に残業は無理だって言えないの?」
 疲れているときに妻から冷たい言葉をぶつけられると、ほとんどの夫が耐えられるはずはないでしょう。
しかし、疲れているけいたはまゆに「ねえ、知ってる?俺は残業しているとき、まゆのことを想うことで頑張れるんだ」と優しく言いました。
 まゆの怒りはスーッと消えて、春風に舞う桃の花のように微笑みました。夕食をすっぽかされたことも気にしなくなりました。

エピソード3:部下を優しく接する少将

 ある空軍少将は頭の毛が薄くなってきて、つい坊主頭になりました。ある年の誕生日、少将は同僚を招いて宴会を開きました。

 宴会の最中、ある護衛官が少将にお酒を注いであげる際に、緊張のあまり、お酒を丸ごと少将の頭にこぼしてしまいました。会場の空気が一瞬で凍り付きました。

 ところが、少将は全く怒らず、護衛官にこう言いました。
 「君はこの方法で私のハゲを治せると思っているのかい?ハハハ!もしこれが効くなら、私はとっくにやってたのさ!」

まとめ

 いかがでしょうか。これらの3つのエピソードは、ユーモアをもって気まずい雰囲気を和らげた話です。ユーモアは能力の一つであり、人生に向き合う姿勢の一つでもあります。最も高度なユーモアは、普通なら「不機嫌になっても当然」の状況でも、雰囲気を一転させ、燃えかけた火薬の導火線をそっと踏み消すようなものとなります。

 さらに、ユーモアは話を巧みに操る能力でもなければ、巧みな言葉で人を言い負かすことでもありません。それは一種の寛容な心のあり方で、愉快で成熟した生活態度です。物事に対して落ち着いた気持ちで楽観的な心構えを持ち、自分の考えを気楽に伝えられることこそがユーモアなのです。

(翻訳・心静)