(左)KGBの制服を着たプーチン(Kremlin.ru CC BY 3.0)(右)2017年時のプーチン(Kremlin.ru CC BY 4.0

 中国共産党の党首は「ロシアのプーチン大統領は私の親友だ」と述べた。しかし、今回の武漢肺炎が流行した後、プーチン大統領が指導するロシアは中国人に対して最も厳しい隔離措置を取った。

(1)ロ中国境を閉鎖する。
(2)露中の交通運輸を一時停止する。
(3)入国の中国人に対して14日間の医学観察を行い、一部の地区は隔離する。
(4)中国人80人が強制隔離され、強制送還された人もいる。彼らは5年間ロシアに入国できない。
(5)中国人観光客のロシア乗り継ぎを制限する。
(6)中国人のロシアへの入国を禁止する。
(7)武漢肺炎に感染した中国人を強制送還させる予定だ。

 ロシアが中国人に対して最も厳重な防止措置を取った原因は2つ。

(1)「生物学的脅威」の認定。

 生物学的脅威とは、強い伝染性致命的な疾病を発生できるウイルス、細菌が人類社会の正常な発展に脅威を与え、国家の安全を脅かす現象だ。生物学的脅威には潜在性と拡散性などの特徴があり、社会の中でパニック心理を引き起こしやすく、人の流れ、物流、財物の流れの具体的な方向を変えることがある。また、大量生産と生活活動を中止させ、国家社会経済の運行チェーンに重大なズレを生じさせ、深刻な時に国家の経済と社会的危機を誘発する可能性がある。

(2)ロシアの指導者は中国共産党に詳しい

 ロシアのプーチン大統領はもともと旧ソ連共産党党員であり、旧ソ連KGBの官僚であった。共産党が高圧と欺瞞によって統治を維持することについて深く理解しており、中国共産党の指導の下で発生したいくつかの重大な災難も実はすべて人災であることを非常によく知っている。

 2017年10月31日、ロシアのプーチン大統領が旧ソ連の政治迫害時代の犠牲者を記念する「悲しみの壁」がモスクワで除幕式が行われた。プーチン大統領は、「私たちのすべての人々にとって、未来の世代にとって、私たちの歴史の悲惨な時期を理解し、記憶することは非常に重要だ」と述べた。「当時、各階層、全民:労働者、農民、エンジニア、将校、宗教界の関係者と国家の公職者、学者、文化界の関係者はいずれも厳しい迫害に遭った。大粛清では、有用な人材や祖国に貢献した者、祖国に対する限りない忠誠を誓う者まで、杜撰で荒唐無稽な罪に問われる可能性があった。数百万人が『人民の敵』にされ、銃殺されたり精神的に苦しめられ、監獄、強制収容所、追放に苦しめられた」。

 2020年に武漢肺炎が武漢から全中国に伝わり、世界各地に広がっている。これは中国共産党が数十年に渡って赤い革命を輸出し、悪事をし尽くした結果だ。疫病発生から今日に至るまで、国難が目前に迫っている時期に、プーチン大統領が上述の演説で述べた大粛清とほぼ同じようなことは依然として中国で広く行なわれている。

 もっと端的に言えば、ソ連・東欧の激変を経験したロシアのプーチン大統領は、中国共産党を信用しない。これは彼が指導する政府が中国人に対して最も厳重な防止措置を取った根本的な原因である。

 最も厳重な防衛措置はロシア国民の安全を保障した。3月8日までに、武漢肺炎はすでに全世界の100余りの国家と地区に蔓延し、感染者は10万人に達し、死亡は3千人余りに達した。ロシアでは17人が診断され、3人が治癒して退院し、死亡者はいない。

(文・王友群/翻訳編集・柳生和樹)