今年の10月、中国の国慶節の大型連休において、日本が旅行先として最も人気となっています。在日の華人不動産仲介業者によれば、多くの中国富裕層が日本の高級住宅を購入するために訪れていることが明らかになりました。コロナの流行後、中国人の日本での不動産購入の目的は、単なる投資から自宅用途へと変わっています。

 中国最大手の旅行予約サイト「Ctrip(シートリップ、携程)」が9月末に発表したレポートによると、予約状況などの分析から、海外の人気旅行先の中で、日本が1位にランクインしています。

 日本が中国人の長期休暇の旅行先として好まれるようになった理由は多岐にわたります。距離の近さや日本食の魅力に加え、最近の円安も日本人気の一因として挙げられています。現在の為替レートは、1米ドルが150円に迫っています。また、日本の不動産物件が稀に見る大幅値引きで販売されており、中国の富裕層が10月の大型連休を利用して物件購入のために、日本に訪れているという指摘もあります。

 日本の不動産仲介会社と中華圏の投資家を結ぶプラットフォームである「神居秒算(しんきょびょうさん)」のCEO(最高責任者)、趙潔(ちょうけつ)氏は、日本のニュースサイトWedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)とのインタビューで、昨年10月末に日本政府が入国制限を解除してから、問い合わせが徐々に増加し、現在では1日あたり数十件の問い合わせが寄せられており、10月の大型連休中に、多くの中国富裕層が不動産物件を購入するために来日していると述べました。

 多くの不動産仲介業者やデベロッパーは、多くの中国人が日本の不動産に投資していることを指摘し、特に富裕層が東京湾に位置する高級タワーマンションを好む傾向があると述べました。このような高級タワーマンションの価格は通常3億円以上であり、東京タワーや富士山などの景色を楽しむことができます。

 趙潔氏はまた、中国人が日本で不動産を購入する目的が大きく変化していることを明かしました。「コロナの流行後、自分自身の居住用として物件を購入する人々が明らかに増加している。自分自身の住まいの必要性から、以前のようにオンライン情報を見て即座に購入するのではなく、実際に日本に来て自分の目で確認して購入する傾向が強まっている」

 趙潔氏は、中国の「富裕層」にも階層が存在し、物件の場所選びにおいても大きな違いがあると述べました。「超級富裕層」は東京都港区に位置する高級タワーマンションを好む一方、「一般富裕層」は東京都江東区や中央区の物件を好む傾向があります。

(翻訳・藍彧)