中国当局はこのほど、「退林還耕(森林をやめて、耕作に戻す)」政策を打ち出し、野菜や果物などの作物を壊し、緑地帯を破壊し、適さない地域に強制的に穀物を植えさせるなど、農民を苦しめている。

 「退林還耕」の実施中には、驚くべき行為が多数発生している。例えば、山の斜面にある木をすべて切り倒し、水稲を植えさせたが、大雨が降ると水稲畑が壊れ、裸地しか残っていない。

 ネットユーザーによると、福建省漳州市の農業管理当局が畑の水管を壊し、自動散水機の使用を禁止し、農民は手で水を汲むしかなくなった。また、農管は排泄物を肥料として施すことを禁止し、違反した場合は5万元(約97万円)の罰金を科すという。

 また、河南省のある県が最近、農村支援活動を展開し、200人の役人が農村へ田植えをしに行ったが、3日間で2エーカーしかできず、交通費、宿泊費など合計で49万元(約956万円)もかかったという情報がネット上で出回っており、公金の乱用やショーだと非難されている。

 中国の農村問題に関心を持つベテラン評論家の鄭旭光氏はラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、「すべては中国共産党中央と一致しなければならないという命令の下、地方官僚は自分の地位を守るために、自分に有利な選択をするしかない」とし、「彼らは『鹿を指して馬と為す』というようなことを知らないわけではないが、これは上層部が地方官僚の忠誠心を検証するための行動であり、従わなければ、忠実でないと思われる」と述べた。
 

(翻訳・吉原木子)