アメリカ南部のメキシコ国境のリオ・グランデ川付近で近年、米国へ密入国する中国人の数が爆発的に増えている。

 統計データによると、2020年10月から2021年9月までに中国からの不法入国者は450人であり、2021年10月から2022年9月までに1,176人に増え、さらに2022年10月~現在、4,366人となり、前年同期比で9倍に増えている。

 フォックスニュースが撮影した動画には、メキシコとの国境で、いくつかの中国人が歩いて国境を越えている様子が映っている。彼らのほとんどは英語が話せず、「中国から来たのか」と聞いたら、彼らはうなずいて認めた。

 また、密入国しようとする5人の中国人が道路脇で逮捕された動画もあった。彼らの所持品はすべて差し押さえられた。これらの中国人によると、彼らは、人身売買業者に35,000ドル(約456万円)を払って、ボートで米国に入国したという。また、中国から米国に密入国した場合、安全を確保するためには、10倍以上の費用がかかるという情報もある。

 国境警備隊に逮捕された不法入国者は、テキサス州の「非政府組織」に移送されているが、人数が多すぎて、これらの人を安置できるところもなくなった。彼らは米国で4年~7年留置され、裁判で送還されるかどうかが判断される。

 これに対し、国境警備隊の責任者であるラウル・オルティス(Raul Ortiz)氏は、国土安全保障省が機能していないことで、多くの部門が大量の不法入国者に苦しんでいると批判し、メキシコ国境の壁建設を中止するバイデン大統領の決定に反対すると表明した。

 イギリスメディア・BBCはこの前、中国当局が「ゼロ・コロナ」政策を放棄した後、多くの中国人が中国から逃げ出したと報じた。多くの中国人はパナマの熱帯雨林を越えて、米国とメキシコの国境に達し、国境を越えて米国に入ることにした。世界で最も危険な移民ルートと呼ばれた道は、中国人の中国脱出の決意を阻んでいない。

(翻訳・吉原木子)