上海での出入国手続きが再開されてからここ1カ月、パスポートの需要が急増し、38万件を記録しました。3年間の抑制を経てようやく爆発的に増え、「報復性出国」という人もいました。しかし、地方警察署から出国する中国人への審査もますます厳しくなっています。

 上海、1カ月で38万件の出入国許可証を記録

 中国のウェブメディア「澎湃(ホウハイ)ニュース」によると、上海では1ヶ月前に出入国書類の処理が再開されて以来、出国を申請する市民の意欲は高く、出入国証明書の数は爆発的に増加しています。上海の出入国管理局による1月9日から2月8日までの、中国人の出入国書類の取り扱い回数は38万件を超え、過去最高を記録しました。

 報道によると、国境を越えた団体旅行の試行的な再開に伴い、一般市民からの出入国許可証の需要が増え続けているといいます。1月22日旧正月後の出入国許可証発行数は前年比24%増で、2月4日に2万件を突破し、2月8日には2万7000件を超え、1日あたりの最高記録を更新しました。

 新浪(シンラン)財経によると、上海のパスポート申請数は過去最高を記録しており、メーデー大型連休中にアウトバウンドが爆発的に増える可能性があるといいます。全国の多くの入国管理局でパスポートの申請件数が大幅に増加し、ピークを迎えるでしょう。最近、ネットユーザーも、北京と上海の一部のビザセンターには長蛇の列ができていると明らかにしました。パスポート申請者は北京の在中国フィリピン大使館や在中国アメリカ大使館などに長蛇の列ができる写真を投稿しました。

 上海のパスポート申請記録的、「報復性出国」か

 網易(ネットイース)の「華人志」21日の報道によると、コロナ発生前の上海の年間出国者数は平均約1000万人、留学生数は5万9000人前後で、全国でトップクラスであるといいます。コロナ発生から3年間、上海の巨大なアウトバウンド需要は制限され、抑制されていたが、今ようやく爆発的に増えています。

 報道によると、ビザホールや出入国管理局は人でいっぱいで、上海出入国管理局の予約は3月末までとなっており、毎日長蛇の列ができています。専門家は「報復性消費」はまだ来ていないが、「報復性出国」は上海で起きていると述べました。また、北京市、深セン市、広州市、杭州市など他の大都市でもパスポートの申請手続きに行列ができています。

 在中国米国大使館ビザセンターの公式サイトによると、上海での米国B1ビジネスビザ、B2観光ビザの面接予約申請がすでに7月まで並んでいます。

 フランスビザセンターの公式サイトによると、上海でのフランスビザの予約はすでに3月末まで並んでいます。

 中国人の出国、現地警察署の審査が必要

 ラジオ・フリー・アジアによると、事情に詳しい情報筋は、中国出入国管理当局が出国者の審査を地方警察署に引き渡したと明らかにしました。最近中国を出国した旅行者の蘇さんによると、地元の警察署が最近、出国者を厳しく取り調べているといいます。

 蘇さんによると、ある友人は先週、警察署の警察官から電話を受けたといいます。「例えば、今日の飛行機に乗ると、1日前に公安警察署から電話がかかってくるのだ。どこに行くのか、いつ帰ってくるのか、かなり細かく聞かれることになる。私は今日、友人に聞いたところ、彼らは皆、自分の住んでいるところの警察署から電話がかかってきて、いつ帰ってくるか聞かれたそうだ。電話に出なければ、警察署の警官は直接自宅に来るのだ。そして、翌日の税関で戻るように勧告され、税関を通れなくなるそうだ」

(翻訳・藍彧)