医療補助改革を巡り、中国各地で大規模なデモが行われた。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 湖北省武漢市で15日、当局に新しい医療補助政策の撤回を求めるため、再び数万人規模の抗議デモがあった。これは、8日に武漢市政府前で起きた1万人以上の抗議活動に続く大規模な抗議デモだ。また、遼寧省大連市と鞍山市でも大規模なデモが行われた。

 湖北省武漢市の中山公園と解放路で15日、政府に医療補助削減の撤回を求めるため、数万人の市民が集まり、「団結は力なり」と歌え、抗議デモを行った。参加者には定年退職者がいれば、普通の武漢市民もいた。

 ネットユーザーが投稿した動画には、数万人の武漢市民が街頭に出て、中山公園に集結し、解放路を大渋滞にした。現場は大勢の警官が警備しており、双方は一時、もみ合いになった。抗議者たちが「私の医療補助金を返せ!」と大声で叫んだ様子が映っている。

 武漢市民の張さんは、ラジオ・フリー・アジアとのインタビューで、「今日のデモは1週間前よりも規模が大きく、警察らは事前に準備をしていた。解放路や中山公園周辺では、警察が厳しく警備している」と述べた。

 抗議デモが発生する原因は、武漢市当局が今年、市民の医薬補助金を7割も削減したことで、退職者およそ200万人が影響を受けたほか、一般市民の医療補助にも影響が出たことにある。市民をさらに怒らせているのは、政府の公務員が影響を受けず、医療費を全額補助されることだ。

 同日、遼寧省大連市、鞍山市でも大規模な抗議活動が起きた。

 ネットユーザーが投稿した動画には、少なくとも数千人の退職者が大連市西崗区の人民広場に集まり、医療補助改革を中止し、国民にお金を返すよう政府に要求した様子が映っている。

 また、鞍山市でも同様の抗議が現れ、多くの退職者が鞍山市政府の周辺に集まり、医療補助改革を抗議した結果、地元公安当局に連行された。

(翻訳・吉原木子)