成田空港(Wei-Te Wong CC BY 2.0 via flickr)

 中国当局は10日、日本人と韓国人を対象にした新規のビザ(査証)発給業務を停止した。これは日韓両国の「中国への差別的な入国制限」に対する対応だと発表した。

 これに対して、林芳正外相は11日、「新型コロナウイルス対策とは別の理由で発給制限を行ったことは極めて遺憾だ」と述べた。外交ルートを通じて抗議し、措置の撤廃を求めたと表明した。一方、韓国のイム・スソク外交部報道官は10日、「韓国の入国規制は科学的かつ客観的な決定に基づいている」と述べた。「外交チャンネルを通じて韓国の立場を伝え、中国とも意思疎通を図っており、今後このような防疫問題については韓中両国間で引き続き意思疎通が行われるだろう」と述べた。

 韓国側は表面的には温和な反応を示したものの、実際には中国人の入国に対する警戒を緩めていない。中国本土からの旅客機に続き、韓国当局は香港・マカオを出発する旅客機についても仁川国際空港のみに乗り入れるよう制限する措置を取った。

 中国当局の突然の政策転換により、中国国内に大規模な感染の波が押し寄せた。感染再拡大を懸念して、アメリカ、イギリス、日本など複数の政府は中国からの渡航者に検査での陰性証明の提示を義務付けている。

(翻訳・吉原木子)