中国河南省鄭州市にあるフォックスコンの工場で10月末、労働者の大量流出事件後、23日夜に大規模な抗議デモが再び勃発した。(ネット写真)

 中国河南省鄭州市にあるフォックスコンの工場で10月末、労働者の大量流出事件後、23日夜に大規模な抗議デモが再び勃発した。

 ネット上に投稿された多くの動画には、大勢のフォックスコン労働者と白い防護服を着た警官隊が激しく衝突した様子が映っている。警官隊が催涙弾を発射したり、長い鉄パイプで労働者を殴ったりした。一方、労働者らは石を投げたり、消火器を使ったり反撃した。中に「中国共産党を打倒せよ」と叫んだ人もいた。

 双方は夜明けまで激戦し、現場にいた労働者は、1万人以上の人が抗議に参加したと明らかにした。また、40人以上が逮捕されたという情報もあった。

 複数の情報によると、事件の発端は2つある。1つは、前回の労働者の大量流出事件後、新入社員が先輩社員と同じ寮に住むことに不満を持っている。なぜなら、その先輩社員の中に陽性感染者がいるのではないかと心配したからだ。もう1つは、フォックスコンは30日以上働ければ、3000元(約5万円)の雇用安定手当を支給し、60日以上働ければ、さらに3000元を奨励することを承諾していた。しかし、22日夜に発表した契約内容には、来年3月12日まで在職しなければならず、途中でいかなる理由でも7日間半以上欠勤すると、手当を一銭ももらえないこととなった。

 23日夜の1万人以上のフォックスコン労働者の抗議デモは中国共産党(以下、中共)当局に危惧を感じさせ、中共は抗議を鎮めるために巨額の資金を投じたとの情報があった。24日午後、多くのフォックスコン労働者は政府が承諾した1万元(約19万円)を受け取ったとのニュースを流した。これは、「天安門事件」以来、中共が軟化した姿勢を見せた稀なケースなのだ。

 しかし、フォックスコンの責任者は24日午後、まだ離れていない労働者が残り、元通りの給料で仕事を続けてほしいとの緊急通知を出した。しかし、抗議デモを起こして離職した労働者は、すべての大手電子メーカーのブラックリストに載る可能性があり、今後採用されることはないという。最終的に、ほとんどの人は依然として離れることを選び、残るつもりはなかった。

(翻訳・吉原木子)