中国湖南省長沙市にある中国電信ビルで16日午後、火災が発生し、その勢いがすさまじくなった。(YouTube動画のスクリーンショット)

 中国湖南省長沙市にある中国電信ビルで16日午後、火災が発生し、その勢いがすさまじくなった。当局からはまだ死傷者の報告がなくても、ネットに投稿された映像によると、燃えている物が大量に落下した様子が映り、死傷者は出るのではないかと懸念されている。さらに、同ビルの消防整備の入札情報を暴露し、「消防設備には隠された問題がある」と示す人もいる。これに対する正式な回答はなされていない。

 16日、湖南省消防局の公式ウェイボー(微博、Weibo)によると、同日午後、長沙市芙蓉区(ふようく)東二環路にある「中国電信ビル」で火災が発生した。黒い煙が上空まで立ち上がり、勢いがすさまじく、ビルが炎に包まれているという。消防当局は17の消防署、36台の消防車、280人の消防隊員を現場に派遣し、午後5時近くになってようやく消火できた。

 中国版ウィキペディアと称される「百度百科(バイドゥヒャッカ)」によると、中国電信の全称が中国電信集団有限会社(チャイナテレコム、China Telecom)で、国営の大手通信会社である。2000年に完成した中国電信ビルは、高さ218m、地上42階、地下2階建てのビルである。

 中国紙「毎日経済新聞」によると、中通服サプライチェーン管理有限会社(以下、中通服)湖南支社の電子入札プラットフォームでは、中国電信湖南支社は8月中旬、中国電信ビルの消火メンテナンスに対する入札を募集していたという。公開情報によると、中通服は、中国電信グループの100%子会社で、サプライチェーンマネジメントサービスに従事しているとのこと。

 入札通知には、「現在、中国電信ビルの消防設備が老化し、一部の設備の設定は現在の国家基準と規範に適合しておらず、火災警報システムと煙避難システムは依然として安全性に大きな問題がある」と記され、入札の推定総額は440万元(約8800万円)以上とされた。しかし、5日、同プラットフォームは、上記の入札が失敗したことを発表した。これに関して、「毎日経済新聞」は、入札公告にある中国電信湖南支社の担当者の携帯電話に電話をかけてみたが、電話がつながらなかったという。

(翻訳・徳永木里子)