F35戦闘機(Alexandr Ermakov, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 米国防総省は7日、ロッキード・マーチン製のステルス戦闘機「F35」の納入を停止した。ターボ機械の磁石に使われている合金が中国製であることが分かったという。これは連邦防衛調達規定に違反している。

 調査で、同機エンジンの潤滑油ポンプに使われている合金が、中国製の未承認材料を禁止する米国の調達法に準拠していないことが判明したという。

 F35を製造する米ロッキード・マーティンは、今回の問題は、ハネウェル・インターナショナル製のF35ターボ機械のサマリウムコバルト合金磁石に関連していると説明。

 国防総省のゴメア報道官は電子メールで、F35プログラムオフィスは「特殊金属に関する」国防関連規則の「順守に万全を期すため、F35機の新規受け入れを一時的に停止した」と発表した。

 ゴメア報道官はまた、「この磁石が情報を転送したり、同機の完全性を損なったりすることはないと確認した。この問題に関連した性能、品質、安全、安全保障上のリスクは存在せず、就航中のF35の飛行運用は通常通りに継続する」と説明した。

 ロッキード・マーチンは既に、今後の納入機に使用する代替素材を見つけているという。規定順守違反はロッキード側から自主的に報告され、経緯については現在調査が行われている。同社は2022年にF35戦闘機153機の納入を予定しており、これまでに88機が納入された。

 第5世代ステルス戦闘機F35は、水陸両用攻撃艦艇や地上の短いフィールドから垂直に離着陸し、アメリカ空軍、海軍、海兵隊のほか、日本やNATO同盟国など10カ国で使用されている。

(翻訳・藍彧)