猛暑の中、多くの人々が熱中症で病院に搬送された。(微博動画のスクリーンショット)

 中国は今年、異常気象に見舞われている。1年で最も暑い三伏(さんぷく)はまだ始まっていないのに、すでに20の省が異例の猛暑に見舞われ、11省の一部地域で最高気温が40℃以上に達していた。

 11日午前、中国の国家気象観測所の気温ランキングで、最も高温な都市は重慶市で日平均気温36℃、次は浙江省紹興市で日平均35.5℃、その他浙江省麗水市、福建省福州市、四川省宜賓市、安徽省馬鞍山市など上位10都市が占めた。これらの都市の最高気温はいずれも40℃に達した。

 香港の明報によると、気象アナリストの張娟氏は、今回の高温は今年に入ってから、これまで最も広範囲であったという。10日正午まで、20の省で35℃以上の高温が局地的に観測された。これらの地域は日中が暑いだけでなく、夜間にも湿度があがり、「蒸し風呂」のようになり、暑さが24時間持続している。

 猛暑の中、多くの人々が熱中症で病院に搬送され、中には熱中症と診断され、最終的に多臓器不全で死亡した人もいる。

 浙江省の多くの病院から、ここ数日、多くの熱中症患者が相次いで病院に搬送され、死亡例もあったことが分かった。麗水市中心病院救急科の呉建栄医師は、「49歳の男性患者が6日午後、仕事仲間に送られてきた。作業場で作業中に突然倒れて意識不明になり、病院に搬送された時の体温は40.7℃で、ショック状態にあった」と述べた。診察の結果、この患者はびまん性血管内凝固を伴う多臓器不全に陥り、31時間の応急手当の結果、8日未明に死亡した。

 統計によると、同病院ではここ1週間で3人の熱中症を診察し、そのうち70歳の女性は自宅で昼寝中に熱中症にかかり、病院に搬送された時の体温は42.5℃に達し、多臓器不全になっていたという。

 浙江大学医学院の付属病院の救急科医師も、「ここ2日間で10例以上の熱中症患者を応急手当した」と述べた。

 また、成都市の四川大学華西病院は3人の熱射病患者のうち、1人が死亡し2人が応急手当中だという。

(翻訳・藍彧)