TikTok依存症(イメージ / pixahive CC0 1.0)

 中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)は、中国親会社の「北京字節跳動科技(バイトダンス)」の社員が特定の状況下で米ユーザーのデータにアクセスできることを、1日に米国上院議員に提出した資料で確認した。

 ロイター通信1日の報道によると、中国のショート動画アプリ「TikTok」の海外版のの最高経営責任者である周受資氏は6月30日、米米上院議員への書簡で、中国本社の社員が「TikTokの米国ユーザーデータにアクセスできる」ことを認めたという。

 これに対し、共和党のマーサ・ブラックバーン米上院議員は、TikTokは「こそこそ隠そうとするのではなく、最初から白状すべきだった。アメリカ人はTikTokを使えば、中国共産党が彼らの情報を共有していることを知る必要がある。TikTokは議会で証言する必要がある」と述べた。

 TikTokの社内会議の録音によると、親会社「バイトダンス」の社員が少なくとも過去4ヶ月間に何度も米国のユーザーデータを取得していたと、米ニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」先月の記事で分かった。

 TikTokの米国でのユーザー数は8000万人を超え、世界中のZ世代の間で流行している写真共有アプリ「スナップチャット(Snapchat)」に次いで多く、ほとんどのユーザーは10代の若者や軍人となっている。

 記事によると、TikTokはAIアルゴリズムを用いて、年齢、性別、職業、収入、居住地、信仰、閲覧の好みなどからユーザーの好みを正確に予測し、ユーザーに動画を推薦することで、ユーザーをやめられない機械的な快感に浸らせて、それから外国の指導者に対する中傷や嘲笑、中国共産党に対する宣伝など、少量の広告や政治的プロパガンダをその中に植え込み、ユーザーが知らないうちにコントロールされる。

 ロンドンの依存症・メンタルヘルスクリニック「パラケルスス・リカバリー」は2020年、「TikTok依存症」の通院者数が過去12カ月で「5倍」になったと発表した。同クリニックのCEO兼創設者ヤンー・ガーバー氏は、「一言で言えば、私はTikTokをハードドラッグに例えるのが好きだ。なぜなら、TikTokが脳の半球に及ぼす影響はハードドラッグと非常に似ている」とし、「Tiktokを使っている人は他のソーシャルメディアと比較すると、携帯電話を置くことに苦労している人たちをよく見かける。そのため、TikTokは個人の幸せや生活に大きな影響を与える。日常生活の生産性、そして社会全体の生産性にも影響を及ぼしているのだ」と述べた。

(翻訳・藍彧)