中国海軍クズネツォフ級空母「遼寧」(日本防衛省・統合幕僚監部より)

 中国の3隻目の空母「003型」は予想通りの3日に進水できなかった。中央通訊社3日の報道で分かった。

 上海海事局は2日、003型航空母艦の進水が延期されると航行通知を発表した。この通知には、江南造船会社の港湾池の浚渫作業が、運用上の必要性から2022年6月30日まで延期されたことが記載されている。

 中国公式メディアはこれまで、003型新空母は戦闘機を加速して発進させる最新鋭の装置「電磁式カタパルト」を搭載していると宣伝してきた。世界では現在、「電磁式カタパルト」を搭載している空母は2隻しかなく、1隻は米国の最新のジェラルド・R・フォード級航空母艦で、もう1隻はこの003空母である。そのため、003は注目の焦点となっている。

 しかし、003空母は原子力ではなく、米軍がとっくの昔に放棄した通常動力によるものなので、米軍の原子力空母と比べると速度や航行距離の差は歴然としている。

上海海事局は2日、003型航空母艦の進水が延期されると航行通知を発表した。(ネットより)

 ボイス・オブ・アメリカ2日の報道によると、電磁式カタパルトシステムは技術の成熟度に問題があり、米国のジェラルド・R・フォード級航空母艦の建設中もこの技術問題に悩まされ、進水後も電磁式カタパルトシステムに何度も問題が発生し、成熟するまで何度も改良してきたと報じた。そのため、業界の専門家は、003空母が蒸気動力を選択した以上、成熟度の低い電磁式カタパルトを使うのではなく、蒸気式カタパルトも装備すべきだと考えている。

 専門家の間では、新型空母の主な機能は「遼寧号」や「山東号」と同じで、実戦ではなく、テストや訓練を主とする可能性があると判断している。

(翻訳・藍彧)