中国広西チワン族自治区東興市で5日夜、1000人以上の市民が市役所の前に集まり、閉鎖解除を求める大規模な抗議デモが勃発した。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国広西チワン族自治区東興市(とうこうし)で5日夜、1000人以上の市民が市役所の前に集まり、閉鎖解除を求める大規模な抗議デモが勃発した。警察の特殊部隊が大量に出動し、デモ隊と対峙していた。

 中国公式メディアの報道によると、広西チワン族自治区東興市で5日0時から24時の間に、無症状の新規感染者2名が確認された。

 地元のネットユーザーによると、人々は封鎖解除を心待ちにしているが、新たな陽性例が出ており、再び封鎖されるという。これに耐えかねた人々が自発的に市役所の前に集まり、封鎖の解除を求めて抗議デモを行った。

 ネットユーザーが投稿した動画には、5日夜、東興市役所前の広場で、政府に閉鎖を解除し、東興市を自由に出入りできるように要求するために集まった推定1000人超の人々でごった返していた様子が映っている。当局は大量の特殊警察部隊やパトカーを出動させ、市民と衝突を起こした。その後、政府関係者が出てきて、市民と対話することになった。

 ある市民は次のように語った。「東興市は長い間閉鎖されていたため、よそ者はみんな他の都市に行ってしまい、東興市には地元の人しか駐在していない空っぽの都市になってしまった。その結果、東興市の経済は大きな打撃を受けた。もともとベトナムとの国境の街で、観光業が経済を牽引していた。しかし、2020年以降、新型コロナウイルスの流行で、国境封鎖の結果、旅行会社はすべて閉鎖され、国境を越えた貿易は著しく減少し、市全体のGDPは急落している。今年2月以来、東興市では100日以上にわたって封鎖が続いており、各家庭の収入は低迷し、基本的な生活すら保証されていない。唯一の政府救済は1世帯あたり60元を支給したことだが、何ヶ月も家に閉じ込められていた東興市の人々にとって、その60元は何の役に立つのだろうか」

 東興市民が集まってデモを行った翌日の6日、東興市内での移動は可能になったが、東興市から出ることは依然としてできないのだという。

(翻訳・藍彧)