広東省深セン市の街道(RBWS 20 EGUOF, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国各地で最近、「房托(不動産業者のサクラ)」の公募が行われていることが、多くのメディアによって明らかにされた。ある記者の潜入取材により、販売現場の多くは人気物件である雰囲気を作り出す「役者」で占められていることが判明した。

 広東省のアルバイト情報サイトに掲載された求人情報によると、深セン市龍華区の深セン北駅にある物件では、物件の販売センターを歩き回り、物件を見ているふりをして、売れ筋の雰囲気を醸し出す人を40人雇う必要があるという。つまり、不動産業者と結託し、購入者を装ってほかの客をだます手伝いをする者である。このアルバイトでは、30歳から45歳までの豪華な服装で着飾っていることが求められている。

 ある金融メディアの記者がこのほど、広州の住宅代理店のアルバイト応募者として問い合わせたところ、「1件見るごとに20元もらえる、1日5件くらいは見れる」と言われた。

 中国メディア「時代財経」によると、潜入記者はアルバイトを受けた後、物件によっては販売所に1時間以上滞在する必要があり、通常の手続きの流れで行えば問題ないと言われたという。これにより、その物件が人気で購入者が多いことを示すことができる。このようなやり方は、仲介者がより良い業績データとデベロッパーの歩合を得るのにも役立つのだ。

 不動産市場が不振のため、北京が不動産市場の救済を経済安定策とするよう求めている。そのため、各地方政府は奇策を連発していると、業界内の人が指摘した。

(翻訳・藍彧)