PCR検査(中國新聞社, CC BY 3.0 , via Wikimedia Commons)

 中国吉林省四平市の疾病予防管理センターは5月31、6月2日からPCR検査を2回以上受けなかった市民を10日間拘束すると発表した。

 四平市疾病予防管理センターは5月31、市内住民のPCR検査を6月2日6時から開始し、今回のPCR検査は、「誰一人取り残されてはならない」と発表した。PCR検査のスケジュールには細心の注意を払い、地域から通知した時間通りに参加するよう市民に要求している。

 また、理由なくPCR検査に参加しない者に対して、「感染症予防管理法」と「治安管理処罰法」に基づく、関連措置を講じると明らかにした。処罰措置には、コミュニティや公共場所への出入り制限、自費での再検査と公安部門による戒告、2回以上PCR検査を受けなかった場合は10日間の行政拘留、500元の罰金、信用失墜(しっつい)被執行人リストに記載し、メディアへの公開などが含まれている。

 同公告が発表されるとすぐに、中国のネットユーザーから批判を浴びることになった。「四平市当局が公然と法律を破っている。まだ法律があるのか?」

 「四平市はいつから立法権を持つようになったのか?」

 「このような拘留規定はいったいどの法律に基づいているのか?中国における法治建設への深刻な破壊だ!」

 中国大陸の一部の弁護士は、同通告は法的根拠がなく、法的でも合理的でもなく、「立法法」、「行政処罰法」、「行政強制法」などの規定に違反していると述べたと、「天目新聞」が報じた。同弁護士はまた、本当に拘束され、罰金を科された人がいれば、行政の再審査を申請したり、裁判所に行政訴訟を起こしたりすることができると述べた。

 厳格なゼロコロナ政策が実施されている中、大規模なPCR検査は中国人にとって日常茶飯事となっている。しかし、PCR検査は混雑を招き、PCR検査の列に並んでいる間に多くの人が感染してしまうこともある。このような、費用はかかるが効果のない大規模なPCR検査は、国民の不満を引き起こしている。また、大規模なPCR検査やゼロコロナ政策に反対したため、政府の圧迫を受け、発言を禁止された学者もいる。

(翻訳・藍彧)