平壌市の東岸洞(wanghongliu, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 北朝鮮が10日、突然不明な「国家的な事件」で全国を封鎖した。当局は未だに詳し説明をしておらず、11日の午後になっても封鎖を解除していない。北朝鮮の公式メディアも封鎖に関して異常に沈黙している。

 本部を韓国・ソウルに置き、北朝鮮の動向を専門に監察している「NKニュース」は、複数の情報筋の話を独占的に引用し、平壌市民が10日午後、突然政府の命令を受け、全市民が直ちに帰宅し、屋外に出ないよう要求されたと報じた。

 ある情報筋によると、外出禁止令が出された後、平壌市内のバス停には、仕事帰りの人たちで行列ができていたという。北朝鮮政府は理由を詳しく説明しなかったため、市民がパニックに陥っていた。その後、海外メディアは、今回の緊急封鎖は全国的なものであり、首都の平壌だけでなく北朝鮮全土が封鎖されていると報じた。

 同件は国際社会で憶測を呼んでいるが、北朝鮮の公式メディアは普段の生活リズムで通常通りに放送・報道をしており、「国家的な事件」や「全国封鎖」については一切触れなかった。

 今回の封鎖は「全国的な問題だ」と情報筋が述べた。11日午後まで、外出禁止令は解除されておらず、政府も詳細を公にしていないため、いつ解除されるかはまだわからないという。

 今回の封鎖制限の範囲がどの程度のものであるかは、まだ確認できていない。緊急封鎖は10日午後2時に下したが、午後5時に、韓国坡州市(パジュし)の国境から北朝鮮領内で畑を作る農民の姿が目撃されていた。

(翻訳・徳永木里子)