プーチンと習近平(voachineseより)

 米国務省は3日に声明を発表し、中国共産党(以下、中共)政府とその公式メディアが、ロシアのウクライナ侵攻に関する虚偽のプロパガンダを頻繁に拡大または宣伝しており、これは表向きは中立でありながら中共政権は実際、ロシアの侵攻を支持していることを表明していると述べた。

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、米国務省の声明には、ロシアのウクライナ侵攻に関して中国国民の判断に影響を与えるために、中共が用いた戦術が列挙されているという。

 1つ目は、中共公式メディアは、ロシア政府関係者と公式メディアの検証されていない情報や主張を転載し、それをロシアの公式メディアが引用し、ロシアへの支持が広がっているように錯覚させたことである。

 2つ目は、ロシアのウクライナ侵攻やロシア軍による残虐行為を報道する際、中共公式メディアは米国など民主主義国の当局者や独立系メディアの報道を削減・編集し、中国国内の反対派の声を検閲した。さらに、中共の「戦狼」外交官は、セルフメディアや反NATO、反米のオピニオンインフルエンサーによるロシア支持の投稿を増幅して再掲載し、炎上を煽っている。

 声明では、ロシアのウクライナ侵攻前後に中共の幹部や公式メディアが作り上げた親ロ・反米の世論の例も挙げられた。これには、2月24日以前にロシアのウクライナ侵攻が迫っているという米国当局者の懸念を「偽情報」だとレッテル貼りし、侵攻が開始した後で「特別軍事作戦」または「ウクライナの危機」というロシアの言い方に中共が従ったことが含まれている。その後、3月にも中共は、米国がウクライナの「生物兵器」開発を支援しているなど虚偽の情報を宣伝した。

 米国務省は声明で、中共によるロシアのためのプロパガンダは、プーチン氏の対ウクライナ侵攻を合理化するばかりでなく、米国や他の国、民主的制度や独立メディアに対する国民の信頼を損なっていると指摘した。

(翻訳・徳永木里子)