中国海軍の「遼寧」空母(Baycrest, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons)

 防衛省統合幕僚監部は2日、中国海軍の空母「遼寧」編隊による西太平洋での遠洋戦闘訓練実施の関連情報を確認した。中国国防部(防衛省相当)は3日、訓練の実施を行ったと発表した。

 防衛省は、長崎・男女群島の西約350キロの海域で、中国の空母「遼寧」、055型誘導ミサイル駆逐艦「南昌」、052D型誘導ミサイル駆逐艦「西寧」「ウルムチ」「成都」と統合補給艦「呼倫湖」が1日、北から南へ通過していることを確認した。

 また、沖縄本島の北西約480キロの海域で中共海軍の054A型フリゲート「湘潭」を、沖縄県の尖閣諸島・大正島の北約160キロの海域で052C型ミサイル駆逐艦「鄭州」をそれぞれ確認した。中共の空母編隊設立以来最多の編成となる。

 防衛省は動向を厳重に警戒し、空母化を進めている護衛艦「いずも」型と、P1哨戒機やP3C哨戒機が警戒監視に当たった。台湾軍も、「遼寧」の出港後からの動きを注意深く監視している。

 今回の通過は、中国共産党が第20回党大会を前に、米軍に対して戦闘能力を示し、安定を保つために国内へ軍事力を誇示しようとした行動だと、一部のベテラン情報アナリストが結論づけている。

(翻訳・徳永木里子)