上海市の中国共産党書記である李強氏を詰問する高齢者女性(YouTube動画のスクリーンショット)

 中国共産党の極端な防疫対策は、国民間の争いを引き起こしている。江西省のある団地が封鎖を解除した後、住民は防疫スタッフの家族6人を殺害した。また、閉鎖解除後に、上海の1000人以上の人々があるコミュニティから飛び出し、防疫スタッフを殴っている動画もネット上に流れている。

 中国メディアによると、江西省南昌市の新建区はすでに1カ月以上封鎖されている。家に封鎖・隔離された南昌住民の声は、上海の疫病の波にかき消された。13日、江西省南昌市新建区のあるコミュニティが解除したばかりの最中に、1人の男性が心怡広場で赤い腕章をつけた地域管理スタッフの家族6人をナイフで殺害した。

 また、上海では最近、封鎖中の住民と管理スタッフとの間で暴力的な衝突が多発している。一昨日、お腹を空かせた上海の昌碩市民も管理スタッフと衝突した。

 ネット上の写真には、片手で顔を覆って、白い防護服が血まみれになっているスタッフの様子が写っている。ウィーチャット(WeChat、微信)のスクリーンショットによると、マスクを付けない人にマスクを付けるよう要求したボランティアが、ナイフで切られたという。

 家に閉じ込められた人たちは、食糧が切れて医薬品が不足し、外出できない苦境に直面して、ストレスが極度にたまり、その怒りを封鎖の管理スタッフにぶつけている。一方、防疫末端のスタッフもプレッシャーに耐え、住民と上司の板挟みになっている。

 ネット上に流れる電話の録音でも、上海住民委員会のスタッフのイライラした心境が語られている。録音中のある住民は薬が足りないので、再び住民委員会に電話した。委員会のスタッフは、住民から受けたすべての問題を上に報告しており、自分らの権限は町内にまでしか報告できないと述べた。「私も非常に怒っている。しかし、とても無力だ、どうしようもないのだ。今、目の前の1人の問題だけではなく、そういう人たちの集まりである。しかし、彼ら(上司)は処理しないのだから、私の方がより悔しいのだ」

(翻訳・藍彧)