ロシア連邦保安局(FSB)の旗(パブリック・ドメイン)

 ロシア連邦保安局(FSB)の匿名のアナリストがこのほど、中国共産党の習近平総書記が今秋に「台湾を全面的に侵攻」を検討していることを改めて明らかにした。

 反腐敗ウェブサイト「Gulagu.net」を運営するロシアの人権活動家ウラジーミル・オセチキン氏は最近、FSBアナリストが書いた一連の内部情報分析を公表したが、その中の1つのレポートで「台湾」について稀に言及している。

 FSBのアナリストによると、習近平氏は今秋、武力による台湾侵攻を検討していたが、それは3期目の政権獲得に向け、小さな勝利が必要だったためだという。「しかし、ウクライナとロシアの戦争が勃発し、台湾を攻撃するチャンスがなくなり、米国はこの期間中に中国を脅かすことができ、習の政敵を有利にすることができた」

 「希望之声」の記者は、この問題について2人の学者と専門家にインタビューした。

 台湾の経済評論家、呉嘉隆氏は、ウクライナ・露の戦争がロシアと中国共産党の軍力をそこに引き寄せてしまうため、中国共産党は台湾を侵略する能力がなくなるだろうと述べた。

 台湾淡江(たんこう)大学外交部の鄭欽模(てい・きんも)学部長は、FSBのアナリストの推論は合理的だと述べた。しかし、プーチン氏のいわゆる「特別軍事作戦」は、習近平氏によっては、米国への探りと見なされる可能性があると指摘した。バイデン政権が内政にとらわれ、欧州と連携してロシアの侵略に抵抗できなければ、習近平氏の軍事的冒険にとって大きな励みになることは間違いないだろう。

(翻訳・藍彧)