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 台湾のバイオチップ開発企業「モルセンテック(矽基分子電測科技)は25日、台湾中央研究院、国立研究院と共同で開発した世界初の「Covid-19ウイルス快速検査チップ」が、昨年末に台湾の衛生福利部食品薬物管理署の緊急使用許可(EUA)を正式に通過し、今年2月の発売が予定されていると発表した。

 台湾科学技術部の陳鴻震部長によると、今回開発した迅速検査チップは、いわゆるPCR(核酸検出)の信号としては非常に弱いCt値35など、ごく微量のウイルスを正確に検出することができるという。

 防疫分野の検証を担当する高雄栄民総医院による、このシステムは感度96.8%、特異度95.1%、Ct値35以下の検出器の陽性一致率は100%であるという。精度とスピードの点で、既存のPCRや抗原高速スクリーニングよりも優れており、デルタ株とオミクロン株を検出することができる。現在、すでに台湾のEUAを通過し、米国と日本でのEUA申請も準備中である。

 同社のCEOである褚家容氏はさらに、検査機器だけでなく、使い捨ての半導体バイオメディカルチップを使用した検査プラットフォーム全体について説明した。手順は、まずチップを装置に挿入し、検査体に注入した後、指示に従ってソフトウェアを操作すると、独自のアルゴリズムにより3~20分以内に結果が算出される。

 現在、Covid-19ウイルスの検出方法には、抗原を用いた迅速スクリーニング検査、抗体を用いた迅速スクリーニング検査、PCR検査の3種類がある。このうち最初の2つの検査は15分で結果が出るが、偽陽性や偽陰性の問題がある。これに対し、PCR検査はより正確だが、結果の判定に少なくとも90分かかる。

(翻訳・藍彧)