(左)集合中の警察官ら(ネット写真)、(右)大通りに出るとすぐ逮捕される(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国当局は西安市、天津市、禹州市、安陽市で都市閉鎖を相次いで実施している。当局の「ゼロコロナ」政策の下、感染者は容赦なく隔離区で隔離され、中には妊婦や子供、高齢者までも含まれている。

 英「デイリー・メール」ウェブサイト11日付の報道は、中国の隔離区の実態を明かした。「隔離収容所」とも呼ぶべきところには金属製の箱のような隔離部屋が何列も並んでいることが、ソーシャルメディアの動画で確認された。

 ある隔離された男性によると、21日間の隔離で5,010元(約9万円)を支払わなければならず、簡単な入浴設備、多少荒れた木製のベッド、食事用の簡単なテーブルと椅子のみ提供された。防護服を着た男が1日3食を運んでくれ、食事は非常に質素であった。

 野村證券の中国担当チーフエコノミストの陸挺氏とアナリストの王晶氏は、北京冬季五輪と全国人民代表大会(全人代)が終わる3月まで、「ゼロコロナ」政策が続くと予測した。

 現在、中国共産党政権は10年に一度の政権交代を控え、「ゼロコロナ」の「成功」をアピールしていることから、当局が「ゼロコロナ」政策を放棄する可能性は極めて低いと、両氏は考えている。「ゼロコロナ」政策がうまくいっていないと見なされたくないからであろう。そのため、「ゼロコロナ」政策は来年3月まで徹底されるという見込みであるとした。

(翻訳・徳永木里子)