英国議会が議事堂として使用しているウェストミンスター宮殿(パブリック・ドメイン)

 7月3日(水)、劉曉明・駐英中国大使は、イギリスが「中国の内政に干渉している」と主張した。イギリス外務省は同日、劉大使を呼び、香港問題に対する説明を求めた。

 イギリスのジェレミー・ハント外務・英連邦大臣は2日、香港の自由を保護する「中英連合声明」に中国が違反した場合、「重大な結果」を引き起こすと警告した。ハント外相はまた、イギリスは香港市民を「断固支持する」とも述べた。1997年に香港が中国に返還されて以来、イギリスがこのような強硬な態度をとることは稀だ。

 ハント外相は「香港は中国に属します。我々はこの事実を受け入れなければなりません。しかし、香港市民は自由を有しており、北京が『中英連合声明』という法的拘束力を持った協定を守ることを期待します。そうでなければ、重大な結果がもたらされるでしょう」と述べた。

 これに対し、劉曉明・駐英中国大使は3日、「イギリスは中国の国内問題に干渉しないでほしい」と述べ、香港はもはやイギリス植民地ではなく、香港をあきらめるべきだと述べた。劉大使は、イギリスのハント外相らの香港への支持に対し、両国関係に「損害」を与えると脅しをかけた。

 イギリス外務省当局者は即座に劉大使を呼び、反論した。イギリス外務省担当官サイモン・マクドナルド(Simon McDonald)氏は、劉氏の言論は妥当性と的確性に欠けるものだと指摘した。イギリス外務省は、公であれ私的な場所であれ、イギリスは引き続き北京に明確なシグナルを送り、香港市民の権利は十分に尊重されなければならないと表明した。

 イギリスのハント外相は3日、ツイッターに「中国共産党政府へのメッセージ:国家間の良好な関係は相互尊重と法的拘束力を持つ合意の尊重に基礎を置かなければなりません」と投稿した。ハント外相は、「これはイギリスと中国との良好な関係を維持するための最良の方法です」と述べた。

 メイ英首相は3日の講演で、最近行われたG20会議で習近平主席に対し、香港についての懸念を提起したと述べた。メイ首相は、「特に重要なのは、香港の高度な自治権と『中英連合声明』で規定された権利と自由を尊重しなければならないということだ」と国会議員たちに述べた。

(翻訳・柳生和樹)