「ルノー・ブリリアンス金杯オートモーティブ」(華晨雷諾金杯汽車有限公司)ホームページのスクリーンショット

 フランスの有名自動車メーカー・ルノーグループ(Renault Group)が49% 、中国の有名自動車メーカー・華晨中国汽車(ブリリアンスチャイナ)が51%出資して設立した合弁会社「ルノー・ブリリアンス金杯オートモーティブ」(華晨雷諾金杯汽車有限公司)が20日から、従業員の給料支給を停止していたことが明らかになりました。

 中国国内報道によると、同合弁会社は20日会議を開き、同日より給料支給と、医療保険以外の社会保険の支払いの一時停止などを決めました。この決定は従業員に通知されており、従業員の依願退職も受理されるそうです。あと1カ月あまりで、中国の旧暦新年が訪れますが、2500人余りの従業員はボーナスをもらうどころか、給料さえもらえなくなりました。そこで働いている人の大半は家庭を持つ中年者が多く、各種のローンの返済があるため、プレッシャーは相当なものになります。

 問題はこれだけに留まらず、同合弁会社はこの一年余りで、供給サプライヤー数社に訴訟をおこされ、敗訴になったこともあります。原因は代金の支払いが滞ったためでした。

 解雇も3年前から始まっていました。2019年は700人、2020年は約500人を削減し、今年は給料支払い一時停止しています。

 このほか、ブリリアンスチャイナの親会社である華晨汽車集団有限公司(国営)は昨年10月23日、満期となった10億元(約180億円)の私募債の返済ができず、デフォルトしたことがあります。世間を驚かしたのは、翌月20日にスピードに破産更生法の適用を申請し受理されたことです。しかし、債権者の銀行に資産隠しの疑いなどがあるとして、当局に告発され、高額の罰金を言い渡され、元最高責任者も横領罪などで逮捕されました。今度は傘下の合弁会社も経営危機に陥りました。

 今年9月に海外メディアは、同合弁会社のルノー側は撤収に向けて中国側と協議に入っていると報じました。

 これを立証したかのように、同合弁会社のCEOギヨーム・シカール(Guillaume Sicard)氏はこのほど、すでに中国を離れてフランスに帰りました。中国メディア報道によると、同氏は来年1月1日からイギリスに赴任するそうです。

 現在の中国では外資の撤退や地元企業の倒産と解雇が相次いで起きています。中共の習近平総書記の現実離れの「ゼロコロナ」対策により、中国の製造業主要地域の浙江省ではすでに20社以上の上場企業が生産停止に追い込まれました。そして地元の人は「中国の輸出も国内販売もうまくいかず、景気は良くならない、江蘇省、浙江省あたりは生産停止が多すぎる。 私の周りでは、絶望し死のうと思っている人がたくさんいる」と語り、不安な気持ちを明かしました。「ゼロコロナ対策」が中国経済を終焉させようとしているようです。

(新時代Newsより転載)