タイの市場(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 アジアの一部地域では、サプライチェーンやコロナ渦で、インフレの警告的な兆候が明らかになった。

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、インドのインフレ率は今年1月に6%に上昇し、コロナ発生前の3.6%を大きく上回り、スリランカのインフレ率は1月に14.2%に達し、ここ10数年で最も高い水準となった。

 新興市場であるタイは、これまで物価が安かったが、今年になって、タイのインフレ率は3.2%に上昇した。コロナ流行前の数年間、タイの平均インフレ率は1%未満だった。エネルギー価格の高騰で、首都バンコクのトラック運転手が道路を封鎖し、政府にディーゼルの価格を下げるよう抗議している。

 また、アフリカ豚コレラの影響で、タイの各地で豚肉が手に入らなくなり、代わりに他の肉類を食べなければならないという家庭もあるという。

 韓国、インド、タイなどはエネルギーと食料の主要な輸入国であり、これらの国でもエネルギーと食料が価格高騰していると業界は指摘した。そして、地政学的な要因によりこの問題をさらに深刻化しているという。

 住宅価格の上昇やその他のコスト上昇を抑制するため、多くのアジア諸国では金融引き締めが始まっている。アクサ・インベストメント・マネージャーズのシニアエコノミスト、姚遠氏は、米国市場が早ければ3月に金利を引き上げると予想されていることから、おそらくアジアの中央銀行は後に追随することを選択するだろう。それでも最終的にはさらなる政策引き締めを選択しなければならないと考えている。

(翻訳・徳永木里子)