(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が22日朝、陝西省の新規感染者53人、うち西安市52人、咸陽市1人が確認され、感染源や感染ルートが把握されていない状況で感染拡大していると発表した。

 今回の感染拡大は感染経路不明と判定される事例が多いと報告された。同市は現在、実質的にロックダウン(都市閉鎖)され、すべての人員と車両が市外に出ることを禁じられている。

 陝西省の中で特に市中内感染が多く発生している西安市では、感染拡大防止措置として20日より、西安市民は出勤する際に、48時間以内に受けた「PCR検査陰性証明書」が必要になるとした。

 しかし、当局は市民に「不要不急の用事以外、市を離れてはいけない」と要求している。空港、高速鉄道駅、在来線鉄道駅、長距離バス駅、および高速道路料金所、国道や省の道路の出入り口などに検問所を設置し、市内の中・高リスクの地域にある区や県の人々の移動を厳しく制限している。

 情報に詳しいネットユーザーは、同市が実質的にロックダウン状態に入っていると明かした。ネットユーザーが投稿した動画では、21日、西安市の高速鉄道駅が封鎖され、「PCR検査陰性証明書」があっても西安市から出ることを厳しく禁じられた様子が映っている。

 動画では、現在、西安市民は公的防疫部門が発行する通行証がなければ外出できないことがわかった。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が22日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月21日の中国本土における新規市中感染確認は57人(前日と同数)だったとのこと。内訳は陝西省53人(西安市52人、咸陽市1人)、広東省2人(東莞市)、天津市(西青区)、広西チワン族自治区1人(防城港市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは67日連続。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(コロナゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、10月中旬以降、中国本土の多くの地域で感染力の強いデルタ株の市中感染例が散発している状況。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。近日、内モンゴル自治区、黒竜江省、浙江省における再流行はほぼ落ち着き、全国的には安定した状況を維持しているが、新たに陝西省西安市を中心に新規感染確認例が相次ぎ、香港マカオと陸で接する広東省でも直近8日連続で複数人の感染確認が出現している。広東省のケースは東莞市が主で、陝西省西安市での流行と同一感染源(デルタ変異株)の可能性が高いとされている。

(翻訳・徳永木里子)