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 中国恒大集団の債務危機はまだ中国版の「リーマン・モーメント」になっていないが、中国不動産業界の財務状況は依然として厳しい。野村投資銀行の推測によると、中国の不動産開発業者は3つの危機に直面しなければならず、中国不動産業界の最悪の時期はまだ来ていないという。

中国不動産会社の三つの課題

 ブルームバーグ通信の23日の報道は、野村総研(香港)が発表した報告書を引用し、中国の開発業者は運転資金回転の緊張に直面しており、今後数ヶ月でさらに深刻な財務上の問題に直面するだろうと指摘した。

 野村総研の研究によると、課題は主に3つある。一つ目は、ますます増加するオフショア債権に加え、中国の開発業者と請負業者は2022年2月1日(中国の旧暦新年)の前に、約20兆円(1.1兆元)の未払い賃金を出稼ぎ労働者に支払う必要があるという。

 二つ目は、中国の地方政府は銀行口座に預託されている住宅企業の前売り資金の制限をずっと引き締めている。中国では、前売り資金が新築住宅の販売資金の90%近くを占め、開発業者の融資の半分以上を占めている。開発業者の財務状況が悪化し続けているため、中国の地方政府はこのほど、企業が債務返済のために他の地域に移転することを懸念しているため、前売り資金規制を引き締めた。

 そして三つ目は、2022年の第1四半期と第2四半期、住宅企業が満期を迎えるオフショア市場で発行したドル建て債券は、いずれも2021年の第4四半期と比べて倍増する可能性がある。中国の不動産開発業者は今後2四半期のオフショア債券市場でより大きな返済プレッシャーに直面するだろう。

不動産業界の最悪な時期はまだ到来していない

 中国政府はこのほど、不動産業界に対する政策を緩和し、中央銀行は預金準備率を引き下げ、一年間の貸付市場金利(LPR)を5%引き下げたが、野村総研は「経済全体、特に不動産業界にとって、最悪の時期はまだ来ていない」との見方を示している。

 2021年、不動産企業の債務危機は絶えず現れ、発展は非常に困難となった。銀行関係者によると、中国の不動産企業の一連のデフォルト事件は世界中の投資家を大いに傷つけ、不動産業界の不安定は2022年上半期にアジアの高収益会社債取引に影響を与えるだろうという。

 不動産関連産業は中国経済に最も貢献する単一産業で、2021年国内総生産(GDP)の28%を占めている。ムーディーズのデータによると、28%のうち、不動産業界からの直接的な貢献が7%、建設業や機械設備などのサプライチェーン業界からの間接的な貢献が21%であるという。

 英紙フィナンシャル・タイムズは22日、シティバンク、エヌ・エイのアナリストの分析を引用し、中国の開発業者が拡張的な経営方式から、激しい市場競争で生き残ることだけを求める経営方式に転換していると報じた。

(翻訳編集・吉原木子)