アントワープ動物園(Jean Housen, CC BY-SA 3.0 , via Wikimedia Commons)

 ベルギー北部のアントワープ動物園は3日、飼育するカバの親子2頭が新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の陽性反応を示したため隔離されたと発表した。カバ科の哺乳類が感染したのは初めてだ。

 地元メディアによると、アントワープ動物園の獣医、フランシス・ヴェルカメン氏は、「園内の14歳と41歳のカバの親子が鼻水を流しているのを見て、予防的な細菌検査をしたところ、意外な結果に驚いた」と述べた。

 同氏はまた、これまで類人猿やネコに感染が確認されたが、「私が知っている限り、これはカバ科における最初の感染事例だ」と述べた。

(Antwerp ZooのFacebookより)

 報道によると、動物園の動物が感染したのは今回が初めてではないという。2020年以降、ビーバー、シカ、ミンク、オランウータン、トラ、ライオン、さらにはネコやイヌなど、世界中のさまざまな動物が新型コロナに感染したことが判明している。2020年3月から4月にかけて、ニューヨーク市にあるブロンクス動物園で、5頭のトラと3頭のアフリカンライオンの感染が確認され、人類以外の霊長類では世界初の検出とされた。現在、世界各国の医学専門家や保健当局が、動物の感染が人類にもたらす潜在的な脅威について研究している。

 研究者によると、人獣共通感染症のウイルスは予防が最も難しいとされている。それは、たとえ人類全員がワクチンを接種してウイルスの蔓延を防いだとしても、ウイルスが動物の間でまだ存在しているため、遺伝子の組み換えや突然変異に絶好の条件を提供し、将来いつか新しい形で人類に感染る可能性があるからだ。

(翻訳・徳永木里子)