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 中国では今、「電力不足」「石炭不足」に続き、「軽油(ディーゼル)」も不足し、各地のガソリンスタンドでは給油を制限し始めている。天然ガスや石炭が不足しているため、電力市場での石油製品の需要が増加している。そして、電力制限により、確かに発電に軽油を使用する企業が増えている。

 中国における石油精製品の小売価格は、今年に入ってから14回も引き上げられている。中国メディア「財新網」26日の報道によると、河北省石家荘市のトラックセールスマンは、「原油価格が値上がりしているので、ディーゼル車を満タンにすることもできなくなっている。地元のガソリンスタンドで、トラックに軽油を100リットルと制限しているが、車全体を満タンにするには約1,000リットルが必要だ」と語った。

 もう1人の安徽省阜陽市(ふようし)のトラック運転手は、ここ数日、地元の一部のガソリンスタンドはすでに給油してくれないところがあり、中には100元(約1790円)から300元(約5360円)しか入れてくれないところもあり、それは数十リットルの軽油に相当すると語った。

 軽油不足の理由について、中国メディア「南方財富網」は、天然ガスや石炭の不足により、電力市場での石油製品の需要を高めた。また、石炭価格の高騰が続いていることで、中国国営の電力配送会社である国家電網はエネルギー消費量の多い企業への電力供給を制限しているため、企業は石炭を使用できず、発電や生産用に軽油を燃料として使用した結果、需要を増加させたという分析もある。

(翻訳・徳永木里子)