収穫されたトウモロコシ(イメージ:Pixabay CC0 1.0)

 ロシア連邦消費者権利保護・人間福利監督庁はこのほど、中国の一連の食品から基準値を超える遺伝子組み換えなどの違法成分が検出されたため、ロシアへの輸入を一時停止すると発表した。

 スプートニクの報道によると、トウモロコシ麺、トウモロコシスパゲッティ、コーンフレークやチョコレートクリームのスイーツやお菓子などから組み換えられたトウモロコシと大豆の遺伝子が発見された。その含量が0.9%を超え、一部のサンプルは基準値の4倍以上が検出された。また、遺伝子組み換えの成分が含まれているかどうかの製品説明は包装に記載されていないと、ロシア連邦消費者権利保護・人間福利監督庁が指摘した。

 ロシア監督庁は、ロシア国民が非伝染性疾患(中毒)に大規模に感染するのを防ぐため、今年10月11日から、他の指令があるまで、これら製品の輸入を一時停止するとした。

 報道によると、ロシアが中国の遺伝子組み換え成分を含む食品を禁止したのは今回が初めてではない。ロシアは2019年8月10日から中国からの梨や核果類の輸入を一時停止した。

 果物や野菜のほかに、2016年には、ロシアは中国、アルゼンチン、ブラジル、ドイツの一部企業からの飼料輸入を一時停止すると発表した。それらの製品から遺伝子組み換え成分の存在が確認されたためである。

 ロシア科学アカデミーのデータによると、同国の牛豚養殖に使う大豆は大量輸入する必要があるとされ、このうち83%は遺伝子組み換え大豆で、市場価値は約10億ドル(約1134億円)である。しかし、非遺伝子組換え大豆を購入すれば、毎トンあたり80ドル(約9000円)を多く支払わなければならない。そうすれば、ロシアの肉類産業全体が影響を受け、競争力を失ってしまう。

 しかし、ロシアは今年1月に、遺伝子組み換え成分を含む輸入品の表示を強制すると発表した。大きなコストの圧力に直面しても、遺伝子組み換えに対して慎重な姿勢を維持するようだ。

(翻訳・吉原木子)