中国浙江省海寧市庁舎前で抗議している農民工(ツイッター動画のスクリーンショット)

 四川省の農民工が一人で浙江省の工場に未払賃金を請求しに行った際、重度の火傷を負い亡くなったことを受け、5日夕方、同郷から約1000人の農民工が浙江省海寧市庁舎の前で抗議し、現地政府に解決策を求めました。しかし、当局は大勢の警察で抑えていました。

 事の発端は浙江省海寧市で働いていた四川省富順県の農民工・王其さんは1万8000元(約31万円)の未払賃金を取り戻すため、3日、働いていた工場に一人で行きましたが、王さんは全身95%の火傷を負い、病院に搬送され、治療中に治療費が払えなくなり、5日死亡しました。中国の病院はお金がないと治療をしてもらえないため、おそらく病院側が治療をやめたようです。 火傷を負った詳細については公表されていません。

 王さんのいとこが5日、王さんの死亡をSNS上で公表すると、5日夕方、四川省富順県から約1000人の農民工が浙江省海寧市庁舎の前に集まり抗議しました。しかし、現地当局は当日大勢の警察を派遣し、現場を抑えていました。

 中国では農民工が働いても、賃金をもらえないことが多発しており、絶望した農民工が自殺する事件なども多く、すでに社会問題となっています

 国民の不満が高まっているなか、 公安局は「農民工が賃金滞納の名目で工事費や資材の代金を請求する悪意の集会に対して、法に基づき容赦なく厳しく取り締まる」と公言し、請求行為を悪意とし、民衆のあらゆる種類の集まりを危険視しているようです。

 悪意を持って賃金を払わない側は、ほとんどが中国の支配者層の内部の人間であるため、被害者側の農民工が逆によく逮捕されています。現在の中国の社会制度下では、農民工への賃金未払い問題を完全に解決することはほぼ不可能なことです。

(新時代Newsより転載)