台湾に侵入した中共政権の軍用機(画像出典:中華民国国防部のウェブサイト)

 中華民国国防部はこのほど、中国共産党(以下、中共)がわずか3日間で、台湾の防空識別圏(ADIZ)に100機近くの軍用機を派遣したと明かした。米国は中共に警告する声明を発表した。

 中華民国国防部は、中共が3日、J-16戦闘機8機、Su-30戦闘機4機、Y-8対潜哨戒機2機、KJ-500早期警戒管制機2機の計16機の軍用機を、台湾海峡中心線の南側の空域から台湾の南西部防空識別圏(ADIZ)に派遣したことを確認した。

 中共は、わずか3日間で93機の軍用機で台湾に侵入し、台湾に対する軍事的威嚇を明らかに強めている。

 米国務省は同日に声明を発表し、中共が地域の平和と安定を損なっていると非難し、北京に台湾に対する軍事的嫌がらせと威嚇を停止するよう求め、情勢を見誤らないよう警告した。

 米国務省のプライス報道官は率先して声明を発表し、中共による台湾付近での挑発的な軍事活動に米国は非常に関心を持っていると述べた。「中共の行為は安定を破壊し、誤判断のリスクがあり、地域の平和と安定を損なっている。我々は、北京の台湾に対する軍事的、外交的、経済的な圧力と脅迫を停止するよう丁重に促す」

 声明では、台湾海峡の平和と安定に永続的な利益があり、米側は台湾が十分な自衛能力を維持できることを引き続き支援し、3つの米中共同声明、「台湾関係法」及び6つの保証に基づく台湾への責任を履行すると強調した。

 注意すべきなのは、過去に米国でこのような声明が出された際に、多くは記者からの質問の後で受動的に応対したり、ツイッターを通じて発言したりしていたが、率先して声明を出すことはあまり見られなかったという。

(翻訳・徳永木里子)