中国・雲南省当局は15日、同省の中・高リスク地域が解除され、最後の中リスク地域である瑞麗市モンマオ(勐卯)鎮が低リスク地域に調整されたことを発表した。ところが不思議なことに、14日の夜、雲南省当局は武装警察部隊を出動させ、戦場でしか使われない有刺鉄線・鉄条網で同鎮を封鎖した。

 雲南省の公式発表によると、15日に雲南省の中・高リスク地域が解除され、省をまたぐ観光が再開された。雲南省の旅行会社やオンライン旅行会社は、省をまたぐ団体旅行や「航空券+ホテル」の営業を即日再開し、新しい文化観光商品を発売し、広報・宣伝活動を強化して、文化観光市場の急速な回復を促進する。

 しかし、現地のネットユーザーが撮影した動画によると、当局による低リスク地域に調整したばかりの瑞麗市モンマオ鎮が、14日の夜に、有刺鉄線で封鎖されていたという。動画を撮影したネットユーザーは、地元住民はこの状況を知らなかったと述べた。当局は15日、武装警察部隊を出動させモンマオ鎮を完全に封鎖した。通りには歩行者を見かけず、武装警察のみが目に飛び込んでくる。

 動画を撮影した男性は「どういう事だ?モンマオ鎮は一晩にして封鎖された。大家さんも状況がわからない」と語った。

 「雲南省当局が省をまたぐ観光を再開するためには、中・高リスク地域を『コロナゼロ』にしなければならない。しかし、モンマオ鎮の感染状況はまだ深刻なままである可能性が高い、感染拡大を防ぐため、いっそのこと完全に封鎖してしまおう」としたと、分析するネットユーザーがいた。

(翻訳・徳永木里子)