中華民国のキッド級ミサイル駆逐艦(イメージ:玄史生 / Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0

 中華民国の蔡英文総統はこのほど米CNNの取材に応じ、台湾は中国共産党からの一回目の軍事攻撃に耐える能力があると表明した。ある米国の学者は、米国が台湾に十分な軍備を提供することが台湾海峡での戦争を避ける最良な方法だという考えを示した。

 ボイス・オブ・アメリカよると、中国人民解放軍及びその軍事的発展を長期的に研究している米学者のリチャード・W・フィッシャー氏は最近、講演で台湾海峡についての見方を発表した。フィッシャー氏とほかの研究者たちは、中国軍が2020年の中頃に、台湾を攻める能力を有する可能性があると考えている。

 フィッシャー氏は「中国共産党がいつ台湾に武力行使をするかは二つの要素で決まる。一つは中国共産党内部による政治の内政バランスで、もう一つは人民解放軍の作戦準備の態勢である。台湾の政治情勢は中国共産党による侵略の決定的な要素ではない。しかし、台湾の政治情勢は中国共産党が武力行使をする正当な理由となる。いかにして台湾の平和を確保して、戦争を避けるのか、という問いに対して、代償を一番小さくする最も有効的な方法は米国が台湾に十分な軍備を提供することだ。人民解放軍に戦争で負けると信じさせるということだ」と語った。

 そしてフィッシャー氏は例を挙げた。「米国が台湾に巡航ミサイルの導入を協力することである。1000発の巡航ミサイルの価格は1機のF-16戦闘機の価格に相当するため、一つのF-16戦闘機中隊の価格は、台湾が巡航ミサイルを2万発程度備えることと同様である。そのような状態になれば、人民解放軍は対台武力行使に対して躊躇するだろう。」

 このような見方に対し、中華民国行政院大陸委員会の副委員長邱垂正氏はボイス・オブ・アメリカの取材を受けた際に「台湾は現在、中国からの軍事的、経済的、外交的脅威と圧力に耐えている。米国の強い決意と支持は挑戦に直面している台湾に対して、最も重要な支えになるでしょう」と説明した。

(翻訳・宛漣音)