中国陝西省延安市の窰洞(Wuyouyuan, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 中国共産党(以下、中共)が「革命の聖地」と呼ばれる陝西省延安市(えんあんし)では3日、豪雨による窰洞(窯洞、ヤオトン)の倒壊が発生した。

 地元住民が撮影した動画によると、少なくとも6つの窰洞は倒壊し、近くで見物している民衆が歓声を上げている様子が映っている。中国「新浪網」によると、窰洞は建設中であり、中には誰も住んでいなかったため、死傷者はいなかったとのこと。

 1934年10月、中国南東部の江西省で、中共が率いていた反乱軍は、中華民国政府軍との戦いに敗れ、1年間の逃避行を余儀なくされた。中共軍は1935年10月、北西部の陝西省延安市に到達し、そこで後に不法な政権を設立した。中共の最高指導機関は延安で12年間いたため、中共は1949年に中華民国政府から政権を奪ったあと、延安を「革命の聖地」と呼んだ。

 延安地区は木が少なく、地元の人々は家を建てるのに十分な木材を持っていない。同地域の黄色い粘土質の土壌は窯洞を掘るのに適しているため、地元の人々は通常、丘の上に窰洞を掘って住み、窰洞の扉や窓を作るのにわずかな量の木材を使っていた。中共の宣伝画では、延安の窰洞の前に毛沢東らが立っているシーンがよく描かれており、中国国民の間では延安の窰洞は中共のシンボルとなっている。

 現在、中国の経済発展に伴い、延安地区でも一般の人々は近代的な建物に住み、原始的な窰洞を新たに作る人は少ない。したがって、今回倒壊した窰洞は、延安当局が中共を記念して建てた観覧用の建造物である可能性がある。このニュースを読んだ国民の最初の反応は、中共政権の象徴である延安の窰洞が倒壊したので、政権の崩壊もそれほど遠くないだろうというものだった。

 延安の窰洞倒壊の動画をリツイートしたツイッターユーザーの「林才俊」は、「中共の古巣が崩壊し、中共政権に残った時間もあまりないだろう」とコメントした。ユーザーの「ニュース/真実」は「ハハハ、延安の窰洞が倒壊したのか!? 中共の古巣が崩壊したのだ!」と喜んでいた。

(翻訳・徳永木里子)