キャスターは銃の脅威の下で人々に新政権を「恐れるな」と伝えた。(@ZDaryabiのツイッターより)

 過激派武装勢力タリバンは、過去の残酷な統治を改めると主張したが、アフガニスタンのニュースキャスターに銃を向けて言わせた動画が話題になっている。キャスターの後ろにタリバンの8人の戦闘員が立ち、キャスターは銃の脅威の下で人々に新政権を「恐れるな」と伝えた。

 英BBCの女性キャスター、ヤルダ・ハキムさんは8月29日、アフガニスタンのテレビネットワーク「平和スタジオ」の動画をツイートした。動画には、8人のタリバン戦闘員が銃を持って、政治評論のキャスターを睨んでいる様子が映っている。銃口を向けられたキャスターは「アフガン旧政権は崩壊した。アフガニスタン・イスラム首長国はアフガン国民に『恐れるな』と伝えたい」と、タリバンの声明をそのまま伝えた。

 ハキムさんは、これまでタリバンが彼女に約束していたものとはまったく違う、シュールな場面だと語った。

 イラン出身の女性ジャーナリスト、アリネジャド・マシフ氏も同動画を紹介し、「テレビに映っているキャスターに銃を向けて、人々に怖がらないように言わせる集団がいること自体が恐ろしいことで、『シュール』と評されても不思議ではない。これはタリバンが人々に恐怖をもたらすことをもう一度証明した」と語った。

 同動画は、海外の多くのネットユーザーにも衝撃を与え、「目を疑った」「映画のワンシーンを見ているようだった」「キャスターが生きていてよかった」といったコメントが寄せられた。

(翻訳・徳永木里子)