アフガニスタンにいる米軍兵士(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 米東部時間8月30日(日本時間31日)にアフガニスタンの首都カブールの国際空港から最後の軍用機が離陸した、とアフガニスタンを管轄する米中央軍のマッケンジー司令官は緊急会見で発表した。2001年のアメリカ同時多発テロ事件を受けて始まった、20年間にわたるアフガニスタンでの米国史上最も長い戦争に終止符が打たれた。米国防総省は31日以降、アフガニスタンでの軍事的役割を継続しないと発表した。

 AP通信によると、カブール空港のタリバン戦闘員であるヘマド・シェルザッド氏の話しを引用し、米東部時間30日の午後3時29分、最後の5機の米軍機が離陸したと述べた。タリバンの武装勢力は米軍の撤退に歓喜し、街中で祝砲が鳴り響いていた。

 米国は公式には、全部隊の撤退をいち早く公表しなかった。複数のメディアで発表された後、マッケンジー米中央軍司令官は、米軍のアフガニスタン撤退の任務が完了したことを確認し、予定の8月31日より前倒ししたと発表した。

 米国防総省のジョン・カービー報道官は30日の記者会見で、米軍は31日以降、アフガニスタンの退避活動には一切関与しないと述べた。

 米国務省の30日の発表によると、現在、約250人の米国人と多くのアフガン人パートナーが退去を希望しているという。しかし、カブールの緊張情勢が高まっているため、安全な避難が困難になっており、空港の運営を保つことも問題になっている。

 米国家安全保障担当大統領補佐官のジェイク・サリバン氏は29日、CNNに対して「8月31日以降、我々はタリバンに、米国市民や旅行書類を持ったアフガン人パートナーが安全に通行できるようにするという約束を果たさせるために、大きな影響力を持っていると信じている」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)