中国の大手不動産会社「恒大集団」(Wpcpey, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 内憂外患に陥っている中共にまた懸念事項が出てきました。中国で2番目の大手不動産開発会社「恒大集団」は以前から、債務危機に陥ったとの話がありましたが、どうやら現実になりつつあります。

 米VOAは27日、「恒大集団の債務危機が爆発しようとしているなか、中共の各レベルの政府は社会的ショックを防ぐために調整を強化している」という記事を出しました。

 同記事によると、現在、恒大集団の債権者、投資家、サプライヤー、銀行は、恒大集団の窮状を前にして無力感に苛まれており、一連の危機管理手続きが静かに進められています。

 また、中国の公的データによると、恒大集団の昨年の負債総額は1兆9500億元(約34兆円)で、フィンランドの年間GDPを上回る規模でした。 しかもその負債の中には、有利子負債が8000億元(約14兆円)以上にも上ります。そのうえ、恒大集団は25日、上半期の不動産事業と自動車事業は合計で80億元(約1400億円)以上の損失を計上したと発表しました。

 さらに恒大集団の従業員は20万人、国内で3800万の雇用を提供しており、 破綻すれば、銀行・金融システムに大きな打撃を与えるだけでなく、失業者がさらに増えることになります。

 アナリストは、中国政府が恒大集団は「大きすぎて潰せない」レベルに達していると見て、困っていると指摘し、中共がもし、この危機を慎重に対処できず、金融システムの危機を引き起こすことになれば、壊滅的な打撃受けるだろうと推測しました。

 恒大集団の資金問題は昨年からすでに浮上していました。昨年9月、恒大集団が広東省政府に懇願する文書が、SNS上で流れていました。文書は政府に支持を求めると同時に、支持がないと資金難に陥り、「金融系および社会などに大きな危機をもたらす」とし、警告とも捉えられる内容でした。今年6月末、中国国務院は、恒大集団のトップと会談し、金融リスクの誘発を避けるために、債務問題を早期に解決するよう求めました。

 中共は、恒大集団の破綻により、中国の金融システムに連鎖反応が引き起こされることを強く懸念しているようです。

(新時代Newsより転載)