(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 ある独身の女性が引っ越しをしました。引っ越し先の隣の部屋には、貧しい母親と二人の子供が住んでいました。ある日、突然一帯が停電してしまい、女性は仕方なくロウソクを灯しました。しばらくすると、誰かがドアをノックする音が聞こえました。

 ドアを開けると、そこには隣に住んでいる男の子が立っていました。「お姉さん、ロウソクはありますか?」と彼は緊張した声で尋ねました。「貧しいとは言え、ロウソクもないなんて論外だわ。一度あげたら、これからずっと付きまとわれるかもしれない。絶対にあげてはいけない。」と女性は思いました。

 そして男の子に対し「ないわ」と冷たく言い放ちました。ドアを閉めようとしたとき、男の子は「きっと持っていないと思ったんだ。」と暖かな笑顔で言いました。そして2本のロウソクキャンドルを懐から取り出したのです。「一人暮らしのお姉さんがキャンドルを持っていないんじゃないかと心配して、届けに来たんだ。あげるよ。」と男の子は続けました。

 女性は後悔の念でいっぱいになり、涙を流しながら男の子を抱き締めました。

(翻訳・篤修)