武器を持っているアフガン人(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 アフガニスタンを掌握した武装勢力タリバンは19日に「アフガニスタン・イスラム首長国」の設立を発表した。しかし、タリバンの5つの言語で反乱の情報を伝える公式サイトが20日に突然消失した。原因は現時点で明らかになっていない。また、反タリバン勢力は北部バグラーン州の3つの地区を奪回した。

 ワシントン・ポスト紙20日の報道によると、タリバンはパシュトー語、ウルドゥー語、アラビア語、英語、ダリー語のウェブサイトを運営しているが、20日時点でこれら5つ全てのサイトにアクセスできなくなった。原因不明だという。これらのウェブサイトは、ネットワークインフラ、及びウェブサイトのセキュリティ企業であるCloudFlare(クラウドフレア)社が提供するサービスを利用していた。CloudFlare社は、現時点ではこの件について回答していない。

 アフガンでは、タリバンの支配が唯一及んでいない北東部のパンジシール州で、タリバンに組織的に抵抗する動きが出ている。

 ボイス・オブ・アメリカの報道によると、アフガン旧政府が組織した反タリバン勢力は20日にタリバンへの反撃を開始し、21日に北部のバグラーン州の3地区をタリバンから奪還したという。タリバンが15日、首都カーブルを制圧して以来、初めての武力による反撃であった。

 反タリバン軍のアブドゥル・ハミド司令官は、新たに占領したアンドラ地区で動画を公開し、タリバンに対する武装蜂起であると述べた。全軍は近くの地域に向かって進んでおり、彼はバグラーン州のすべてを奪還すると宣言した。タリバンは反攻のためにアンドラ地区に部隊を派遣しているとのこと。

 アフガンのアシュラフ・ガニ大統領(72)が15日にアラブ首長国連邦に逃亡した直後、アフガンのアムルラ・サレハ副大統領は、自分が憲法上の暫定大統領に就任することを発表し、タリバンに毅然と立ち向かい、故郷のパンジシール州が占領されるのを防ぐことを誓った。

 アフガニスタンではタリバンが急速に権力を掌握したが、国内の戦闘はいまだに収まらず、反タリバン勢力が反撃に出ている。アフガニスタンは長い内戦になるのではないかと懸念されている。

(翻訳・藍彧)