アフガニスタン首都のカブール空港が17日未明に再開し、米軍は引き続き、カブール空港とハーミド・カルザイ国際空港の軍用機で自国民とアフガン人が出国するのを支援した。ネット上の動画によると、150人定員の米軍機には640人のアフガン人が詰込まれており、強い生存意識が感じられた。また、米軍の善意で乗れた女性や子供も多かった。

 AFP通信によると、米統合参謀本部(JCS)のロジスティクス専門家であるハンク・テイラー少将は、カブール空港が再開された後、空港の警備を支援するために、米海兵隊を乗せたC-17輸送機が着陸し、陸軍部隊を乗せた2機目の飛行機も着陸したと述べた。

 アフガニスタン陥落後、タリバン勢力の支配から逃れるために、数千人もの人々が必死に国を出ようとしている。中央通訊社によると、15日にハーミド・カルザイ国際空港からアル・ウデイド空軍基地に向けて離陸した米空軍のC-17A輸送機には、640人のアフガン人が搭乗していたことが、米政府当局によって確認されたという。

 軍事ニュースサイト「ディフェンス・ワン」は、衝撃的な写真を公開した。150人定員のC-17A輸送機には、640人の難民が詰め込まれ、ほぼ隣り合わせに座っており、疫病対策のためのソーシャルディスタンスなど誰も気にしておらず、タリバン政権から逃れて命を守ることだけを考えている。将校の中には、女性や子供が多く乗っていたことを内々に明かしている者もいた。多くの母親が子供を連れて直接兵舎に駆け込み、「飛行機を止めようとして」必死に滑走路を走っていたため、将校らは最終的に彼らを乗せて出発することにしたのだ。

 これは特別の一例だけでなく、米政府関係者が「ディフェンス・ワン」に、他の飛行機には640人以上を乗せていたと伝えた。

 運が悪かった人もいる。インターネットに投稿された動画では、多くの市民が米軍基地の滑走路に押し寄せ、軍用機に乗って出国する最後のチャンスを狙って、離陸直前の米軍機の外壁にしがみつく様子が映っている。離陸間もない機体から男性2人が振り落とされ、民家の屋上に落ちる様子を住民らが撮影した。17日には少なくとも8人が死亡したという。

(翻訳・徳永木里子)