(ナウセダ大統領 Augustas Didžgalvis, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 リトアニアのギタナス・ナウセダ大統領は15日、中国とベラルーシとの紛争における立場を変えず、民主主義、法治の価値観と原則が侵害されないよう努力すると述べた。また、主権を持つ独立国について、どの国や地域と経済的・文化的な関係を築くかを決める権利があると主張した。

 リトアニアでは最近、国内外で紛争が相次いだ。ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の政権が生み出した不法移民問題が、今やラトビアなどの隣国にまで波及している。先週の国会周辺での防疫政策に反対するデモ、難民キャンプでの暴動、外務省の情報システムをハッキングされて「機密」文書を盗まれた事件など。

 また、中国共産党は10日、リトアニアが台湾に「台湾」の名称で代表機関を設置したことを理由として、駐リトアニア大使の召還を発表し、リトアニアに駐中国大使の召還を求めた。この外交問題はいまだに終息していない。

 これに対し、ナウセダ氏は15日、フィナンシャル・タイムズ紙(FT)のインタビューで、ロシアとベラルーシと国境を接しているリトアニアは、長い歴史の中で、複雑で気難しい2つの隣国に慣れ、その対処法を学んできたと話した。

 同氏は、リトアニアの原則や価値観は、時に隣国や他国(中国共産党を暗示)から受け入れられないことがあり、「これが簡単な道ではないことは自覚している。しかし、どうしても変えられない」と述べた。

 ベラルーシの政権に対し、「民主主義国家は弱腰ではない。強く、団結し、法治を尊重し、断固とした態度をとる。 彼らは私たちが弱いことを期待してはいけない」という重要なメッセージを送るのだ、と同氏は示した。

(翻訳・徳永木里子)