(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国の複数の省でデルタ株が猛威を振るっている中、江蘇省楊州市はこのほど、雀(じゃく)荘でクラスターが発生し、感染状況は深刻地域となった。PCR検査を受けようとする大勢の地元住民は、ソーシャル・ディスタンを無視して検査所に殺到したため、さらなるクラスターが発生した。

 江蘇省衛生健康委員会は9日、同省では8日の0時から24時までの間に新規感染者が38人確認され、7月20日以降、楊州市だけで346人の新規感染者が確認されたと発表した。

 さらに、楊州市の一部のPCR検査所では、「1メートル」の安全距離を空けるというソーシャル・ディスタンスを無視して、互いに会話したり隙間なく長蛇の列を作っていたため、現場の秩序は混乱し、感染のさらなる拡大につながった。ネットユーザーは、楊州市PCR検査所が混乱している衝撃的な動画を投稿した。

 当局は、市民がPCR検査を受ける際に、「1メートル」の安全距離を空けて並ばず、知り合いと会うとおしゃべりしていたため、現場を混乱させてしまうことになり、また、医療従事者不足で、検査の受け方がわからない人もいて、長蛇の列ができてしまったという。楊州市の感染拡大が手に負えなくなったため、当局は4,000人以上の医師や看護師を揚州市の支援に投入しなければならなかった。

 7日24時まで、25人は7月29日に湾頭鎮聯(れん)合村のPCR検査所で感染した。そのうち、3人は医療従事者であり、残りの22人は検査を受けた住民で、最年長は80代の女性、最年少は5歳の男の子である。

 楊州市の検査所だけではなく、南京市、武漢市、鄭州市などの検査所でも混乱する場面が現れた。多くの人が群がり、さらには口論や喧嘩、叫び声などが混乱に拍車をかけていた。また、マスクを着用しないで現場に並んでいる人もおり、市民から非難の声が上がっていた。

 南京市では2歳の幼児(男)は、7月21日に家族でPCR検査の列に並んでいる時、身内が近所の人と親しく会話をしたことがきっかけで感染した。

 鄭州市金水区の市民は中国メディア「健康時報」の記者に「PCR検査所は雑然とした人の山で、現場の秩序を維持するスタッフもいなかった。さらに、マスクを着用しない人もいた。もし行列の中の一人が感染したら、何人が感染するかは想像がつかない」と語った。

 楊州市邗江区(かんこうく)に在住する劉さん(女性)は「7月28日にPCR検査を受けに行ったが、現場は非常に混乱していて、皆さんは安全な距離という概念が全くないまま、隣り合って並んでいた」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)